東京春祭 歌曲シリーズ vol.16
エリーザベト・クールマン(メゾ・ソプラノ)
■日時・会場
4.11 [土] 19:00開演(18:30開場)
東京文化会館 小ホール
■出演
メゾ・ソプラノ:エリーザベト・クールマン
ピアノ:エドゥアルド・クトロヴァッツ
■曲目
リスト:
私の歌は毒されている S289
昔、テューレに王がいた S278
ワーグナー:
《ヴェーゼンドンク歌曲集》 より
温室にて
悩み
夢
エルダの警告~逃れよ、ヴォータン(舞台祝祭劇《ラインの黄金》 より)
リスト:
私は死んだ (《愛の夢》第2番 S541-2 ) (ピアノ・ソロ)
グルック:
ああ、われエウリディーチェを失えり
(歌劇《オルフェウスとエウリディーチェ》 より)
リスト:
愛し合うことは素晴らしいことだろう S314
シューマン:
彼に会ってから (《女の愛と生涯》 op.42 より)
リスト:
われ汝を愛す S315
シューマン:
私にはわからない、信じられない (《女の愛と生涯》 op.42 より)
満足 (《子供の情景》 op.15 より)(ピアノ・ソロ)
やさしい友よ、あなたは見つめる (《女の愛と生涯》 op.42 より)
私の心に、私の胸に (《女の愛と生涯》 op.42 より)
シューベルト:
子守歌 D.498
シューマン:
あなたは初めての悲しみを私に与えた (《女の愛と生涯》 op.42 より)
シューベルト:
夜の曲 D.672
死と乙女 D.531
精霊の踊り D.116
小人 D.771
リスト 3人のジプシー
日本歌曲 さくらさくら(三ツ石潤司 編曲)
リスト 愛とは?
寡聞にしてウィーンでは既にガランチャにも迫ろうとする人気があるそうで。
このクールマン、先日のワルキューレのフレッカでノックアウトされて
即座にチケットを購入したもの。
その判断は間違いなかった!!
これほどの歌手とは。
ヴィブラートはないのに柔らかであり力強さもあり、そして何より美しい。
ディクションも堅固なのに、枠にはめた印象は皆無。
この日は特に前半の歌唱が忘れられない。
先日も藤村の素晴らしいヴェーゼンドンクを聴いたばかりでありますが、
こんな歌を聴けるなんて。
あのトリスタンと同時期に不倫相手のヴェーゼンドンク夫人の歌詞に作曲した
退廃的なこの歌曲、そこから3~5曲が披露されたのですが、
彼岸の音楽となり忘我の境地に連れて行かれました。
こんな気持ちになって音楽を聴いたのは久方ぶり。
下記にオーストリア放送響と共演したものを貼り付けましたが、
この歌唱よりも数倍素晴らしかった・・。
あ~、やはりワーグナーは偉大でした。
その他、リストの歌曲もこんなに聴き易く、且つ革新的なものだったのかと
想いを新たにさえられました。
シューマンは女の愛と生涯を他の曲を合わせながら後半の核としていました。
それに共演のクトロヴァッツという人のピアノの表現が豊か。
知性的でありながら、聴かせるコツも心得ていて。
アンコールはさくらさくらも美しい日本語で聴かせてくれました。。。
あ~、歌曲リサイタル、当たれば大きい、素晴らしい。
来月はピオーの王子ホールでのリサイタルに行きますが、
これも楽しみです。