第786回 定期演奏会Bシリーズ
大野和士 音楽監督就任記念公演1
サントリーホール

曲目

シュニトケ:合奏協奏曲第4番=交響曲第5番 (1988)
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67《運命》

大野和士・東京都交響楽団

音楽監督就任記念、としてシュニトケとベートーヴェンの組み合わせ。
それにしてもシュニトケのこの合奏協奏曲、混沌とした曲で、
第1楽章、第2楽章がバロック期の合奏協奏曲のように独奏を交えながら展開して
いくかと思えば、激しい金管と打楽器の音楽とが混ざりもの。
チェンバロ(鈴木優人氏)も参加。
そして第3楽章交響曲第1楽章のような・・・と解説にもありましたが、
様々なロマンティックな楽想から暴力的とも言える音塊に圧倒されました。
そう、この曲大いに気に入った訳であります。
シュニトケ、敢えては聴いてこなかったが勿体ない作曲家か。
ちなみに1988年コンセルトヘボウ管弦楽団の委嘱で初演されたそうです。

そしてベートーヴェンの5番。
以前インバルの骨太の5番におおいに感動したのですが、
今日は全く別の音楽。
鋭い音、快速テンポだけれども、
所謂ノンビブラートの古楽系とも全く異なるもので、
かなり独自の音楽作りと言えるでしょう。
第1楽章はそれに慣れるまでは、違和感が続きましたが、
オーボエのソロの辺りからこちらも乗ってきました。
第2楽章を朗々と歌わせるかと思えば、細工をあちらこちらに仕掛けて。
そして第3楽章から第4楽章は鋭くも燃えている演奏となりました。

大野和士、この人は独自の感性がある人で天才肌の指揮者でもあります。
言葉は失礼ですが、眼を見ても少しイッってますよね。
突出した芸術家であれば、それも大歓迎。
プログラミングも期待できそうですね。
少なくとも暫くは大野和士に期待したいと思います。

また、はしご。
でもクセになるんだな、これが。

では。