2015年3月
新国立劇場




プッチーニ
歌劇マノン・レスコー

【指揮】ピエール・ジョルジョ・モランディ
【演出】ジルベール・デフロ
【装置・衣裳】ウィリアム・オルランディ
【照明】ロベルト・ヴェントゥーリ

ベルリン・ドイツ・オペラ、フィンランド国立歌劇場からのレンタル

【マノン・レスコー】スヴェトラ・ヴァッシレヴァ
【デ・グリュー】グスターヴォ・ポルタ
【レスコー】ダリボール・イェニス
【ジェロント】妻屋秀和
【エドモンド】望月哲也
【旅籠屋の主人】鹿野由之
【舞踏教師】羽山晃生
【音楽家】井坂 惠
【軍曹】大塚博章
【点灯夫】松浦 健
【海軍司令官】森口賢二

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

プッチーニのオペラで一番好きなものは、
実はマノン・レスコーなのです!
新国立劇場では既に採り上げていましたが、
2011年3月にも上記演出で新たに採り上げる予定で楽しみにしていました。
ところがあの震災でリハーサルは終えていましたが、
正にその直後の2~3週間が上演期間であったため、キャンセルとなってしまいました。
その同演出、歌手は主役級は全く同一で今月、そう3月に上演されたのです。

手練れのモランディの指揮で東京交響楽団もみずみずしい演奏。
何か特別なことはしていないのですが、
間が良い指揮をする人ですね。

マノンはヴァッシレヴァ、美しい人でこの役にピッタリ!
第4幕などで強い声が必要なので、リリカルなソプラノは難しいのですが、
かといって強すぎるとマノンらしさが失われる。
そういうバランスではヴァッシレヴァは嵌っています。
録音も含めてこれだけ合っているのはなかなかないものです。
そしてデフロの力強い声がオペラを聴く満足感を与えてくれます。

イェニスのレスコー、ちょっと打算的な兄貴をうまく表現、
そして妻屋のジェロント、見た目笑えますが(失礼!)、
声は安定、もてない男には共感する(笑)ので肩入れして観ていました(ハハハ)。

そして、トスカの名スポレッタの松浦健が出演していたのが、
これまた嬉しいところ。

演出は白を基調としたシンプルですが、出演者の動かし方が上手く、
また衣装もスタンダードながら品の良いもので、
驚きはありませんが、爽やかなものでした。
これであれば、レパートリーとして繰り返しできるでしょうね。

このオペラ、第4幕が難しい。
アメリカの大地に流されて、二人で20~25分歌いっぱなしですが、
もう少しドラマとして展開があれば、もっと受けるオペラになったのでは。
でも、完全でないところがこのオペラの魅力でもあるところ。

あ~、やっぱり好きだこのオペラ、良い上演でした。