2月22日(日) 横浜みなとみらいホール 14:00開演
R.シュトラウス:メタモルフォーゼン(変容)
[23の独奏弦楽器のための習作]
R.Strauss:Metamorphosen(Studie für 23 Solostreicher)
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ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 <ハース版> 
Bruckner:Symphonie Nr.9 d-moll

クリスティアン・ティーレマン Christian Thielemann
(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団首席指揮者 / Principal Conductor)
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 Staatskapelle Dresden

平日の東京公演は行けなくなってしまう可能性があるので、
横浜へ遠征、本を読んでいれば桜木町も結構近いものです。

ティーレマン、今の時代これほど個性ある叩き上げ巨匠タイプは
他には見当たらないですね、アクが強いのであちこちでトラブルも起こしてしまい
ますが、ウィーンフィルとシュターツカペレ・ドレスデン、
そしてバイロイトとの相性はかなりのもの。
ともすると、自分ヨガリにも聴こえなくもないパウゼを多用したり、
テンポがもたついたりすることもありますが、
相性の良い楽団とは、それが見事なアクセントになります。
歴史ある懐のあるオケが良いということでしょうか?

前半のメタモルフォーゼン、ひょっとしたらコンサートで聴くのは初めてかも。
ディスクではカラヤン盤を良く聴いていた時期がありましたが、
晩年のシュトラウスの黄昏が、良き時代のドイツが消えていく様が
聴こえているような演奏でした(どんな演奏??ハハハ)。
一人一人の奏者の音色も素晴らしく、落ちついて聴くことができました。

そして後半のブル9、ここ半年はこのコンビであちこちで演奏していて
以前ミュンヘンなどと演奏した4番、5番、7番よりも評価が高いようです。
9番という曲は、響きが入りくるので指揮者の技量がかなり問われる作品ですが、
かといって恣意的に捉えられると、空虚な音楽になる難曲です。
しかし、すべてのバランスが整うと比類ない感動を与えてくれる曲でもあります。

過去の演奏では、この曲はヴァントの演奏が素晴らしい。
ベルリンフィル、ミュンヘンフィル、北ドイツ放送響何れも甲乙付け難い
この曲の模範となる感動的な演奏であります。
そして、我が国の朝比奈、N響と大フィルとの録音、晩年のものが
無骨でありながら、バランスもとれていて迫るものがあります。
そしてスクロヴァ翁はザールブリュッケンやミネソタ響が
凝った面白い演奏、器楽的な響きも素晴らしい。

そして今日のティーレマン、ドレスデンの演奏ですが、
タイプとしてはより洗練されたヨッフムタイプであります。
これがまた良いのであります。
評判通り、このコンビの8番のディスク以外では最高の出来栄えでしょう。
第1楽章の響きの充実、テンポも比較的インテンポ。
そして第2楽章が弦の無骨さは、聴いていて気持ちが良い。
ホルンのバランスも素晴らしい。
うー、これこれ、横浜まで来て良かった。
最終の第3楽章、ここはティーレマンというより
このオケの美質が全開でありました。
昔はいぶし銀と言われていましたが、現在はプラチナというところでしょうか?

静けさの後に盛大な拍手、これは納得。

帰りは地下街の銀座・天圀で天婦羅を頂きました。
満腹、満腹、そして近所のマッサージ店で凝った肩をほぐして貰いました
では。