2月20日(金)19:15開演 会場:サントリーホール

#535 定期演奏会

■プログラム
ロッシーニ作曲 歌劇『チェネレントラ』序曲
シューベルト作曲 交響曲第3番ニ長調 D.200
サン=サーンス作曲 交響曲第3番ハ短調『オルガン付き』 op.78

■出演者
指揮:ジャン=クリストフ・スピノジ
オルガン:松居直美
新日本フィルハーモニー交響楽団

前回は仕事でチケットを無駄にしてしまったスピノジと新日フィルとの定期公演。
来シーズンは呼ばれていないので、来れて良かった。

天然・天才型の人で古楽器でのヴィヴァルディのオペラ演奏や、
スカラ座、ザルツブルク、パリオペラ座でのロッシーニ演奏でも人気がありますね。
私もジャル君との共演で親しんでいます。
新日フィルとの初顔合わせでのハイドンがあまりに素晴らしかったので、
その後の新世界などは、面白かったけどということになりましたが、
今日の演奏は楽しかった。
そう、この人の演奏は愉悦があるのです。

チェネレントラ、つまりシンデレラのオペラは
ザルツブルクでも採り上げたばかり。
表情付が繊細で躍動的でもあり、如何にものロッシーニクレッシェンドで
魅力全開、コンマス(豊嶋氏)があまり乗っていない様子ですが、
オケ自体は良い音を出しています。

そして、如何にも相性がよさそうなシューベルトの初期交響曲から3番。
指揮のニュアンスが似ているカルロス・クライバーもシューベルトは
未完成と並んで3番を演奏していましたね。
ハイドンにも通じる交響曲ですが、シューベルト18歳の時の作品、
そう言えばあの魔王も18歳の時の作品、何と恐ろしい青年だったのでしょう。
こちらも溌剌とした演奏!
良いじゃないか、今週は仕事早帰り週間で良かった。

後半はオルガン付、ジャンジャカ演奏してウルサくなってしまうものが多いですが、
ニュアンスが丁寧で成程と思わせる箇所もあり、
以前の新世界の演奏より軍配はこちら、最終楽章も確りと決めて聴き応えも十分。
オルガンの松居直美さんを前に引っ張り出してキスをするわで、
いつもの通り、色々と動き回ったカーテンコール。
何だかこの人だと許せてしまうんですよね。

そう、音楽は感動や深刻に考えるだけでなく、こういう愉悦に満ちた演奏が
定期的に必要なのです。

あー、楽しかった、では。