松竹創業120周年
壽初春大歌舞伎
平成27年1月10日(土)

一、番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)


青山播磨 吉右衛門
腰元お菊 芝 雀
並木長吉 桂 三
奴権次 吉之助
柴田十太夫 橘三郎
放駒四郎兵衛 染五郎
渋川後家真弓 東 蔵

二、女暫(おんなしばらく)

   
巴御前 玉三郎
蒲冠者範頼 歌 六
清水冠者義高 錦之助
女鯰若菜 七之助
茶後見 團 子
手塚太郎 弘太郎
紅梅姫 梅 丸
家老根井行親 橘三郎
局唐糸 笑 也
成田五郎 男女蔵
轟坊震斎 又五郎
舞台番辰次 吉右衛門

三、猿翁十種の内 黒塚(くろづか)

   
老女岩手実は安達原の鬼女 猿之助
山伏大和坊 門之助
強力太郎吾 寿 猿
山伏讃岐坊 男女蔵
阿闍梨祐慶 勘九郎

1月の歌舞伎座午後の部はかなり豪華な演目出演陣。

番町皿屋敷、吉右衛門の青山播磨、いいですな~。
播磨屋の播磨・・・はい、ダジャレです。
途中、お菊役の芝雀に、「お静」と呼びかけてしまうハプニング。
前月の井伊大老で芝雀がお静役だったので・・・・、
観客としては、こんなところばかり観てしまいます(笑)

そして、玉三郎の女暫、絶対に観たかったんです。
華やかで、これぞ歌舞伎という舞台。
女形が大いに立ち回る演目はそうはありませんが、
これはスカっとしますね。
玉三郎の存在感が絶大、「し~ば~ら~く~」の声が聞こえて感動しました。
最近声の通りが心配だったのですが、完全に杞憂でした。

そして漸く歌舞伎座登場の猿之助、十八番の黒塚。
勿論、動きのある場面も素晴らしいのですが、
想いが込められた所作・表情が全く以て感心。
流石はいま一番お客を動員できる歌舞伎役者の一人、猿之助。
少しぼーっとしたところもある門之助がピシっとした動きでこれも嬉しかったです。

充実の演目、出来栄えで大満足、満腹!!

本日はY夫妻とご一緒でしたが、この後はいつもの鮨屋へ。
いつもながら美味しい食事とお酒を頂きました。

では。





<あらすじ>

一、番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)

◆愛に命をかけた男女の潔さ
 旗本の青山播磨は、犬猿の仲の幡随院長兵衛の子分たちと出くわし、喧嘩を始めたところ、伯母の真弓が現れ諌(いさ)めます。相変わらず喧嘩三昧の播磨に、真弓は以前に話した縁談を勧めますが、かねてから腰元のお菊と恋仲なので、その気はまったくありません。しかし、お菊は縁談の噂に気をもみ、播磨の本心が気になり落ち着かない様子。そこで播磨の自分への思いを確かめるために、お菊は青山家の家宝の皿をわざと割ってしまいます。それに気づいた播磨は…。
 旗本と腰元の身分を越えた純愛ゆえの悲劇を描いた、岡本綺堂の代表作のひとつです。

二、女暫(おんなしばらく)

◆女方が見せる荒事の様式美
 平家追討に功をあげ、今や権勢を誇る蒲冠者範頼は、大勢の家臣を引き連れて北野天満宮で宴を開いています。家来たちが口々に祝儀を申し立てる中、居合わせた清水冠者義高は、傲慢な態度を取る範頼を諌(いさ)めますが、激怒した範頼は成田五郎らに命じ、義高一行の命を奪おうとします。そのとき、「しばらく」と声がかかり現れたのは巴御前。女ながら武勇に優れた巴御前は、義高たちの危機を救おうと範頼に意見をし…。
 荒事の『暫』を女方が演じる趣向で、歌舞伎ならではの演出として、幕外での巴御前と舞台番のやりとりも華やかな舞台をご堪能ください。

三、猿翁十種の内 黒塚(くろづか)

◆自らの罪業に苦しむ老女が現す本性
 芒(すすき)の生い茂る奥州安達原。日が暮れる中、諸国行脚の途中の阿闍梨祐慶一行は、岩手という老女の家に一夜の宿を請います。糸繰り唄を唄い、一行をもてなす岩手は、自らの不幸な身の上を語り始めると、祐慶の言葉に心が救われます。岩手は一行に奥の一間を決して見てはならないと忠告し、薪を取りに出かけます。しかし、強力(ごうりき)が一間を覗いたと知った岩手は豹変、安達原の鬼女の本性を現し、祐慶たちに襲いかかり…。
 古典の中に近代の技法を取り入れた舞踊劇にご期待ください。