2015年1月3日 午後4時開演 新橋演舞場

石川五右衛門(いしかわごえもん)

石川五右衛門     市川 海老蔵
ワンハン     中村 獅 童
豊臣秀吉     市川 右 近
加藤段蔵/悪龍の精  市川 猿 弥
女将軍櫻嵐女     市川 笑三郎
侍女花里     大谷 廣 松
ヌルハチ 道行改め市川 九團次
アイ将軍     片岡 市 蔵
局押小路     市川 右之助
前田利家     市村 家 橘
茶々     片岡 孝太郎

昨年も1月の新橋演舞場と同様、今年も海老蔵の意欲的な公演です。
観てはいないのですが、2~3年前に上演された石川五右衛門を更にスケールアップして、
何と中国清の創始者ヌルハチと兄弟の契りをかわし、その後紆余曲折があり
最期はヌルハチとして大陸で活躍するという途方もないスケール。
最期の部分は後日譚としてあるだけですが、まあスゴイストーリーです(笑)。

海老蔵、獅童の勇猛さ、
右近の上手さ、市蔵、右之助のベテランの味がありましたし、
宙吊りや舞台装置も手の込んだものでありましたが、
正直に言えば短時間にストーリーを盛り込み過ぎて
追いかけるのに皆必死で・・・うーん、もっと再構成した方が良いでしょうね。

孝太郎は茶々でしたが、余り目立たないというかなんというか。
この役はもっと若手で良かったのでは?
孝太郎を起用するなら、もっと芯がある役にして貰いたいものです。

意欲は是とする公演でありました。

<あらすじ>
石川五右衛門(いしかわごえもん)

市川海老蔵が目指した新しい石川五右衛門から5年――
平成27年、さらに壮大に創り上げる!!

 天下に轟く大泥棒として知られる石川五右衛門。釜茹でにされた壮絶な最期と謎の多い人生は、江戸期に入り、浄瑠璃や歌舞伎の作者たちの創作意欲を掻き立て、今やその活躍は舞台以外にも映画や小説、漫画など幅広いジャンルで描かれ、日本人の心にいつまでも残り続けています。また、市川團十郎家と石川五右衛門は縁が深く、200年以上前より、代々の團十郎が五右衛門を扱った歌舞伎を手がけてきました。

 その石川五右衛門に、市川海老蔵が新たな視点で挑んだのは平成21(2009)年8月。海老蔵が新しい石川五右衛門を目指し、原案となるストーリーづくりに、人気漫画『金田一少年の事件簿』『神の雫』やドラマの原作者として活躍する樹林伸を迎え、従来の五右衛門作品とは違った構想で、新橋演舞場にて『石川五右衛門』として上演。大きな話題を呼びました。

 今回も樹林伸を迎えて、市川海老蔵の石川五右衛門、中村獅童のワンハン、市川右近の豊臣秀吉、そして片岡孝太郎の茶々と豪華な顔合わせが実現。

 ――秀吉が天下を治める時代。権勢を誇る秀吉が寵愛する宝物を盗み取ろうとした天下の大盗賊石川五右衛門。そこで出会った茶々、秀吉と五右衛門の数奇な縁…。さらには、海のはるか彼方から現れたワンハンにさらわれた茶々を救うため、五右衛門は大陸に渡る――

 前作で描いた物語に加え、新たな五右衛門の冒険譚を、宙乗りなどの舞台機構を駆使しての壮大なスケールで展開します。平成27年の幕開けを飾るにふさわしい熱い舞台にどうぞご期待ください。