2014年12月28日(日)午後2時 世田谷パブリックシアター

シス・カンパニー公演
鼬(いたち)

[作] 真船豊
[演出]長塚圭史

[出演] 鈴木京香/白石加代子/高橋克実/江口のりこ/
     山本龍二/峯村リエ/佐藤直子/塚本幸男/赤堀雅秋

2014年は観劇で締めくくり。
そう言えば昨年も同じ世田谷パブリックシアターでグッドバイという芝居でした。
今回はかなり古い戯曲ですが、長塚圭史の演出です。
金がらみのドロドロした、しかし人間の深いところにある本性が見えるそんな劇でした。

とは言いつつ、個人的には白石加代子のおどろおどろしい演技も観たかったもので。
市川昂監督の石坂金田一の大ファンなのですが、
悪魔の子守唄や病院坂の首括りの家などでの、
強烈インパクトある演技が目に焼き付いていました。
特に後者は、それは恐ろしいこと!!子供は絶対にトラウマなること間違いなし。
近年は百物語や身毒丸の舞台で有名でしすね。
百物語も終わり、あのスタイルの舞台は観る機会が少なると思い
チケットを手に入れて出かけた次第です。

決して一般受けする演劇ではありませんが、
鈴木京香が銭ゲバの女を鋭く、でもどこか美しく演じていました。
いや~、貫録もありこれぞ女優ですな。
やや男性俳優が大仰な演技でありましたが、女優陣は実力派が揃い
野太い演技を見せてくれました。

演劇ホールとしては良いホールですね。

では。


<ものがたり>

昭和の初め。東北の寒村にある旧家「だるま屋」は、いまや見る影もなく落ちぶれ果て、跡取りの萬三郎(高橋克実)は、南洋へ 出稼ぎに行ったきり三年も音沙汰がない。
ついには、老母おかじ(白石加代子)と出戻り娘おしま(江口のりこ)が暮らす家屋敷を借金の形に取られることになり、債権者たちは古畳や襖まで奪い合うありさまだ。
そこに、かつて悪行の限りを尽くし追い出されたおかじの義妹おとり(鈴木京香)が羽振りのいい風情で十数年ぶりに現れた。
“何を嗅ぎつけてやって来ただ。この泥棒鼬ッ!”
いきり立つ義姉おかじに、おとりがある話を切り出した……。
人間の欲と業を赤裸々に骨太に描いた昭和初期の名作に、長塚圭史演出で挑む!