歌劇「ホフマン物語」
※全5幕、原語[フランス語]上演・日本語字幕付き

作曲:ジャック・オッフェンバック
台本:ジュール・バルビエ

演出・衣裳:ロラン・ペリー
演出協力:クリスチャン・ラット
衣裳協力:ジャン=ジャック・デルモット
台本構成/ドラマトゥルク:アガット・メリナン
舞台:シャンタル・トマ
照明:ジョエル・アダン
ビデオ:シャルル・カルコピーノ

指揮:大野和士(フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者)

キャスト:
ホフマン:ジョン・オズボーン[7/5、7/9]、レオナルド・カパルボ[7/7]
オランピア/アントニア/ジュリエッタ/ステッラ:パトリツィア・チョーフィ
リンドルフ/コッペリウス/ミラクル博士/ダペルトゥット:ロラン・アルバロ
ミューズ/ニクラウス:ミシェル・ロジエ
アンドレ/コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ:シリル・デュボア
ルーテル/クレスペル:ピーター・シドム
ヘルマン/シュレーミル:クリストフ・ガイ
ナタナエル/スパランツァーニ:カール・ガザロシアン
アントニアの母:マリー・ゴートロ

合唱指揮:アラン・ウッドブリッジ
合唱:フランス国立リヨン歌劇場合唱団
管弦楽:フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団

現在は休暇中なので、昼15時開演の公演へ。
e+でディスカウントでチケットを入手して会場へ。
17000円ですが、E席が13000円でD席が18000円、
それで3階2列真ん中なので充分元はとれているでしょう。
周囲をそれとなく(?)探るとA席のようでした。
このような席は普段は割高だと思って購入しないですし、
敢えてオーチャードホールでコンサートを聴くことはないので、
新鮮な印象でした。

ピットからだと結構音が直接届きますし、
今回の歌手は皆声量があったので【音】という意味では不満なしです。
舞台は流石に少し遠いので細かいところは解りずらいかな。

主役のホフマンはジョン・オズボーン、
大野が自信を持って現代最高のホフマン歌いというだけあって、
ディクションが正確で感情表現も豊か、
出ずっぱりの長い舞台ですが、全く弛緩することなく押し出しも上々。
初めて聴きますが、シコフなどよりもずっと良いですね。
(個人的にはフォークトのホフマンがあまりに素晴らしくてその印象が強いのですが・・・)

そしてオランピアなど4役をチョーフィがすべて演じていました。
ヴィオレッタなど歌っている印象が強いチョーフィですが、
演技も達者、特にアントニアでの歌唱が声域も一番合っていて素晴らしいものでした。
ややオランピアは苦しいかなというところもありましたが、
ジュリエッタの演技も◎、非常に総合点の高い歌唱でした。

こちらも4役のアルバロ、朗々と響くバスです。
この役はこれくらい声量がないとね。
冒頭のリンドルフはやや粗かったのですが、
その後は調子はウナギ登り。
こちらもアントニアの場面での歌唱が特に圧倒的でした。
他の歌手たちもかなりの高水準の歌唱でありました。

舞台はシンプルな作りではありますが、
ニヤっとさせられる仕掛けが随所にあり観客を飽きさせません。
新国のアルローの舞台も美しかったですが、
こちらは工夫が随所に見えて面白さを感じました。

オケはナチュラルな響き、ホフマンにピッタリ!!
強烈に上手、ということはないですが、
情感があるというのか、オペラの雰因気をしっかり伝えてくれます。
大野の指揮もメリハリがあるのと、歌手の自由度を上手く持たせながら
流石のコントロールでした。

上演時間が予定よりも少し遅れて進んでしまい、
この後で大阪へ移動する予定だったので、
最後の20分は観れずに退出しましたが、
それでもなかなか満足度の高い公演でありました。

では。