第622回 定期演奏会
Suntory Hall Subscription Concert Series No.622
2014年07月05日(土)18:00 開演

リスト:ピアノ協奏曲 第2番 イ長調 S.125
リスト:コンソレーション3番(アンコール)
ワーグナー/フリーハー編:楽劇「ニーベルングの指環」
-オーケストラル・アドベンチャー

指揮:マーク・ウィグルスワース
ピアノ:小菅優

東響の定期へ。


最初表れた小菅、立派なご体格で。
見た目はラローチャという感じ(笑)。
ノッシノッシと歩いて弾き始めるとこれはまた地に足がついた
華麗な音楽が奏でられました。

リストの2番、テクニックは1番よりよほど難しいらしいですが、
正直中途半端な楽曲で、ピアニストはこちらの方が好きな人が多いらしいですが、
聴衆としては止めて欲しいと思う曲(というのは小生だけか)。

しかしオケの響きも重厚で、チェロや木管のソロも素敵。
ピアノとの掛け合いがも素晴らしく、初めて最初から最後まで
真剣に聴き通すことができました。

アンコールは予想通りの曲。
息がうるさい人ですが、奏でる音楽は繊細。
この人は音を確り弾き切るので煩くなるときがあるのですが、
センスとテクニックでそんなもの吹き飛ばすのでしょう。

後半はワーグナー指輪をコンパクトに1時間にまとめたもの。
マゼール編と何が違うのか聞かれても、
サッパリ応えられませんが、
有名曲の抜粋というところでしょう。
繋ぎに工夫はあるのでしょうが、
誰でもこんな感じの編曲になるのでは?

ウィグルワースは初めて聴きますが、
イギリスの中堅でかなりオーケストラを仕切る力のある職人指揮者です。
憎いフレーズの処理など、ニヤっとさせられるところも何か所かありましたが、
ワルキューレやジークフリートは少しアッサリ目。
しかし、ラインの黄金の冒頭の透明感や、黄昏に入ってからの押し出しは
東響と共に指揮者の手腕と言えるでしょう。

なかなか後から色々思わせる演奏会でした。
では。