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スタッフ
作:秋元松代
演出:栗山民也
キャスト
千葉哲也 山西 惇 稲川実代子
古河耕史 髙島レイ 前田一世 宇井晴雄 西原康彰 藤井咲有里
斉藤まりえ 仙崎貴子 日沼さくら 梶原 航 形桐レイメイ 林田航平
<ものがたり>
1898年(明治31年)。マニラの日本領事館には、内乱と戦争暴動化した民衆から逃げて、在留邦人が避難していた。そこには、フィリピンの独立運動を支援しようと日本から渡った志士達や、からゆきさん達がさまざまな思いを抱えながら居合わせていた。そんな中、日本領事である高崎碌郎のもとに、シンガポールで別れ日本に帰ったはずの秋岡伝次郎があらわれる……。
賤しい生業をしていても、南洋において自分が日本人であるという誇りを忘れず、天皇陛下を崇拝し、愛国精神にのっとって行動する奇妙な男秋岡。かつてシンガポールで女衒をやっていた秋岡は、高崎によって仕事を奪われ、開拓、真珠採掘、行商とさまざまな仕事については統治者によって邪魔され、フィリピンに密入国の末、領事館までたどり着いたのだった。
フィリピン独立の為に、アメリカと共闘していると信じていた志士達だが、だんだんとアメリカのフィリピン植民地化への野望が見えてきていた。内地で働いても身を立てられなかった多くの日本人の魂の為に、マニラ瑞穂館を建てようと夢見る秋岡は、志士たちのパトロンとなる。
スペイン軍が降伏し、アメリカ軍が勝利したと連絡が入ったが、一時的に成立した共和政府はアメリカの資本に負けて半年で崩壊し、マニラ瑞穂館は崩壊する。そして、アメリカ軍が彼らにとった行動は……。
今日は新国で演劇を。
3人のベテランと新国研修所卒業生が織りなす
明治時代のマニラ日本領事館を舞台にした日本人の物語であります。
不見識ながら、秋元松代という作家・・・知りませんでした。
秋岡のモデルとなった村岡という稀代の東南アジアで「からゆきさん」を
扱っていた女衒、その純で悪徳で奔放な生き方の伝記を書いたことから、
その後日談としてこの戯曲が完成したそうです。
難しい話ではなく、哀しい運命を背負いつつ、その運命を笑い飛ばしながら
活きるからゆきさんたち、その彼女らを率いつつ純で悪辣で躍動感ある秋岡、
そして領事を始めとする官の人間たち、ピュアに米西戦争でフィリピン独立を
支援する志士たち。小劇場で目の前で演技が行われるので
時には騒々しすぎるくらいですが、明治という時代にマニラで
こんな日本人がいたんだ、と素直な驚きとその熱さに感化されました。
パンフを読みながら、歴史的背景も解ると更にいろいろなものが見えてきました。
この日は約束があり茗荷谷へ。
駅前の、かとう、という日本料理店でしたが、日本酒、さかな共に楽しめました。
では。