通し狂言 青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)

  白浪五人男

   序 幕  初瀬寺花見の場
        神輿ヶ嶽の場
        稲瀬川谷間の場
   二幕目  雪の下浜松屋の場
        同  蔵前の場
        稲瀬川勢揃の場
   大 詰  極楽寺屋根立腹の場
        同  山門の場
        滑川土橋の場

   
弁天小僧菊之助/青砥左衛門藤綱 菊之助
南郷力丸 松 緑
赤星十三郎 七之助
忠信利平 亀三郎
鳶頭清次 亀 寿
千寿姫 梅 枝
青砥家臣伊皿子七郎 歌 昇
青砥家臣木下川八郎 萬太郎
浜松屋倅宗之助 尾上右近
手下岩渕の三次実は川越三郎 廣太郎
手下関戸の吾助実は大須賀五郎 種之助
丁稚長松 藤間大河
薩島典蔵 権十郎
局柵 右之助
浜松屋幸兵衛 團 蔵
日本駄右衛門 染五郎


御存知白波5人男、改めて通しで観るとエンターテイメントとして
良くできた作品であることを実感しました。
普通に面白い!

全日金曜日は遅くまで会議が続いたので、
飲みに行ったのですが、何年振りかに完全徹夜コース。
メキシコ料理→居酒屋→カラオケ(実は大嫌い)の流れ。
午前6時30分に帰宅し午後13時まで爆睡(笑)。
自分でも愚かしいことをしたと反省。
風邪気味にもなってしまいました。

本日の演目は午後4時半から。
まあ、記録的な大雪。
こんな日によろよろ歩きながら地下鉄へ。
ギリギリに座席へ滑り込み(今回は1階13列)。

浜松屋、稲瀬川勢揃いの2場面が上演されることが多いですが、
前段を観ていないと意味が解らないところもある訳で
途方もない退廃的なストーリーながら
やはり通しで観る意義はありますね。

流石音羽屋の代表作だけあって、菊之助嵌っています。
声が美しく通ること!
気風も良いですね。
微妙な間はお父さんに譲るところはありますが、
当然リアリティはこちらの方が。。。。(笑)
菊五郎の昔の写真から想像される弁天小僧が目の前にありました。
立ち廻りも美しい、呼吸感もあり◎。

松緑の力丸、この人も声が良い。
どうしても力丸は左團次の印象が強いのですが、
キャラクター的には松緑も似合っています。

染五郎の駄右衛門、初役だそうです。
5人男の内、花形世代が演じるには一番難しい役どころ。
年季が必要なものだけに案じたのですが、
高麗屋の駄右衛門になっていました。
お父さん(幸四郎)の節回しにソックリ!!
稽古をしっかりとつけて貰ったんでしょう。

赤星十三郎の七之助、女形が勤めるこの役どころ、
序幕でなるほど、こういうストーリーがあったのかと納得。
幅はないものの、及第点。
どこか儚げでこれは面白い十三郎だと。

亀三郎の忠信利平、抜擢ですね。
いやいやこの人も良い声です。
歌舞伎、歌舞伎した演技で一番演り良いキャラクターでありますが、
出番は然程なので目立ちにくいのですが、存在感ありました。

それにしても不動の番頭、橘太郎。
何度観ても至芸ですな。
面白いし、声が良い、動作がすべてがバランスして◎。
出てきただけで嬉しいのです。
松緑の息子大河が丁稚役でソチオリンピックに絡めて笑いもとっていました。

團蔵が浜松屋、私にとって鳶頭は團蔵ですが
浜松屋とは恐れ入りました、近年は駄右衛門も演じることも多いようですね。
是非観たいものです。
息子宗之介は右近、この種の役どころ似合いますね。

他には右之助の局柵の貫録ある演技が印象に残りました。

帰りは風も出てきました。
歌舞伎座下の地下道、少し遠回りですがこちらから丸の内線へ。
最寄駅から自宅まで震えて帰宅しました。

では。