第582回 定期演奏会
2010 10/9(土) 6:00p.m.  サントリーホール


モーツァルト:ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595
ブルックナー:交響曲 第4番 変ホ長調 「ロマンティック」WAB.104 <原典版>

指揮:秋山和慶

ピアノ:伊藤 恵

東京交響楽団


今日はダブルヘッダーでレーゼルに続いて

サントリーホールに移動し秋山のブル4を聴きました。


恥ずかしながらこの日のチケットを購入したのは

原典版と年間プログラムに記載があったので

てっきり第1稿を振るものと勘違いしていたのです。

今日のプログラムを見ると普通のハース版での演奏でした。。。

第1稿だと思って張り切っていたので正直少しテンションが下がりました(笑)。


先ずはモーツァルトの27番のコンチェルト。

人により意見は異なるかと思いますが、

20番、24番、27番は一連のコンチェルトの中でも

内容がとてつもなく充実した作品。

過去の演奏ではギレリス・ベーム・VPO、内田・テイト・ECOがお気に入りです。


今日の演奏ですが、

先ずは秋山・東響の演奏が何とヌルい。

前プロとしてあまり拘ってリハを行わなかったのではないでしょうか。

こんな微温の表面的だけ美しい演奏は肌辺りは良いですが

何だかBGMのように聴こえてきました。

一昔はこんな演奏が良くありました。

今日は周囲に学生と思しき若い人が結構いたのですが、

大半が爆睡していました。

小生も途中から意識が飛んでいました。

伊藤の演奏がそれなりに濃い演奏で面白かったので余計に残念です。


伊藤はいつもはゴツゴツしたピアノタッチで弾きますが、

今日はかなりソフトタッチでこの曲の天国的な魅力を伝えようと努力していました。

彼女は朝比奈・新日フィルとのブラームス1番というとてつもない名演を聴かせてもらったので

どうしても要求が高くなってしまいますが

やはりモーツァルトよりもブラームス、ベートーヴェンの方が合っていますよね。


後半は誤解したロマンティック。

冒頭はチョットホルンが不安定でしたが

徐々にオケも良く鳴り出しました。

後半は大変一体となった完成度の高い演奏が繰り広げられました。

今日は木管、特にクラリネットとフルートが素晴らしかったですね。

惚れ惚れとしました。


秋山のブルックナー、予想通りの誠実丁寧筋肉質なブルックナー。

尾高のように上手くまとめているけど

ちっとも感動できないブルックナーになってしまわないか心配だったのですが

杞憂に終わりホッとしました。

前半寝ていた学生達も全員ではありませんが熱心に聴いていました。

(帰りに同じメロディーばかりで面白い曲だね、と話しているのは微笑ましかったです。)

第1楽章の途中から纏まり始めて最後はテンションの高い素晴らしい演奏となりました。

秋山のこのスタイルは3番とか6番に合いそうですね。


今日はチョット疲れましたが結果的には充実した一日でした。