• 指揮:鈴木雅明
  • リナルド:ティム・ミード(カウンターテナー)
  • アルミレーナ:森 麻季(ソプラノ)
  • アルミーダ:レイチェル・ニコルズ(ソプラノ)
  • アルガンテ:萩原 潤(バリトン)
  • ゴッフレード:クリストファー・ラウリー(カウンターテナー)
  • ユスタチオ:ダミアン・ギヨン(カウンターテナー)
  • マーゴ・クリスティアーノ:上杉清仁(カウンターテナー)
  • シレーナ1:松井亜希(ソプラノ
  • シレーナ2:澤江衣里(ソプラノ)
  • アラルド:中嶋克彦(テノール)

    管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
[曲目] ヘンデル:歌劇《リナルド》HWV7a
(1711年版/全3幕/イタリア語上演・日本語字幕付)


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ヘンデルのオペラはやはり楽しい!
今日のリナルドは15時開演で20分休暇が2回で終演が19時。
演奏時間は大体3時間15~20分。
これだけ長くても曲にメリハリがあって全く飽きるところがありません。
やはりジューリオ・チェーザレとこのリナルドは曲の構成が上手い!面白い!

今日はほぼ満員の客入り。
昨年、一昨年のこのヘンデルシリーズは別のコンサートで聴くことができなかったのですが、
今回は聴くことができ、また演奏、歌唱が素晴らしかったので大満足です。

タイトル・ロールのティム・ミード。
今年のゲッティンゲンのヘンデル祭でマクギーガンの指揮で『アドメード』のタイトルロールを演じ
大変評価が高かったとのこと(実はアドメードは未聴なのです・・・)。
写真真ん中の通り、なかなかのイケメン。
そんなに背は高くないのですが、結構舞台栄えするタイプではないでしょうか?
第1幕のリナルドの最初のアリア「恋する者にとって」はチョット不安定でしたが、
その後は充実した歌唱でなかなか情感豊かに歌える人です。
有名な「愛しい恋人よ何処へ」はもう少しヴィブラートを抑えて唄って欲しかったですが、
1幕最後の「逆巻く風よ、我に翼を与えよ」や第2幕「三つ頭の冥犬ケルベロスさえも」や
アルミーダとの2重唱、第3幕のトランペットアリアは非常に高い水準の出来栄え。
これから更に人気がでることでしょう。
今後来日予定はあるのかな?

アルミレーナの森麻季も予想通り素晴らしい歌唱。
彼女はゾフィーやプッチーニ・ヴェルディよりも
ヘンデル、モンテヴェルディ、モーツァルトの方が
声量にも合っていますし、表現も断然素晴らしいと改めて思いました。
超有名な「泣くがままにさせて下さい」はヴィブラートも抑え目で素晴らしい歌唱でした。

そしてアルミーダのニコルズは相変わらずの高水準で安定した歌唱。
見る度に体格が大きくなってきているような気がするのはご愛嬌。
それにしても日本に頻繁に来てくれますが、本当に嬉しいですね。
ポッペアのネローネの歌唱も印象的でしたが、
今日のアルミーダも兎に角素晴らしい。
透明感のある声がホール突き抜けて響き渡ります。
「おぞましき復讐の女神らよ」、リナルドとの2重唱、「ああ冷たい人」など最高!
来年はBCJとのマタイ以降の来日予定はまだない様子なので、
これから機会があればできるだけ聴こうと思います。
(これからワルキューレにも挑戦するとのこと。何の役を歌うんだろう?)
⇒ 来秋にもBCJで来日するようです(失礼しました)。

ゴッフレートのラウリー、エウスタツィオのギヨンの歌唱も良かったですね。
声量はそれほどないのですが、ツボを押さえた歌唱で、
「今日この日、シオンの丘に」など引き込まれました。

アルガンテの萩原も第1幕は音程が不安定でしたが、
第2幕以降は調子を上げてきました。
ニコルズとの掛け合いがある場面では非常に存在感がありました。

鈴木指揮のBCJは少しトランペット不安定でしたが、
テンションの高い素晴らしい演奏です。
特に音楽の充実度の高い第2幕の演奏は特筆すべきだと思います。
鈴木BCJは高水準ながら微熱的な演奏で
エッジの効いた演奏が好きな私からすると不満がある時もあるのですが、
今日は全くそのようなことは感じませんでした。
これからもカンタータや受難曲だけでなくオペラも積極的に採り上げてもらえると嬉しいですね。