ミラノ・スカラ座 2009年日本公演 2009年9月12日(土)東京文化会館1階5列
「ドン・カルロ」全4幕(イタリア語版)

指揮:ダニエレ・ガッティ

演出・舞台装置:シュテファン・ブラウンシュヴァイク
衣裳:ティボー・ファン・クレーネンブロック
照明:マリオン・ヒューレット
合唱指揮:ブルーノ・カゾーニ

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フィリッポ二世:ルネ・パーペ
ドン・カルロ:ラモン・ヴァルガス
ロドリーゴ:ダリボール・イェニス
宗教裁判長:アナトーリ・コチェルガ
修道士:ガボール・ブレッツ
エリザベッタ:ミカエラ・カロージ
エボリ公女:ドローラ・ザージック
テバルト:カルラ・ディ・チェンソ
レルマ伯爵:クリスティアーノ・クレモニーニ
国王の布告者:カルロ・ボージ
天の声:イレーナ・ベスパロヴァイテ
フランドルの6人の使者:
フィリッポ・ベットスキ
アレッサンドロ・パリャーガ
エルネスト・パナリエッロ
ステファノ・リナルディ・ミリアーニ
アレッサンドロ・スピーナ
ルチアーノ・バティニッチ
ミラノ・スカラ座管弦楽団 /ミラノ・スカラ座合唱団


今回のスカラ座の来日公演で総合的には一番上出来だった公演でした。


今回は小生とちょっとテンポ感が合わなかったバレンボイムではなく

ドン・カルロはダニエル・ガッティが指揮。

この指揮が素晴らしいこと!

重すぎず、スカラ座のオケの響きを十分に生かしながら

ドラマティックにまとめて、音楽が生き生きと伝わってきました。

ヴェルディに関してはシャイーよりも小生はガッディ派です。

オケの違いはあるにせよ、過去のボローニャのドン・カルロよりを

遥かに上回る指揮振りであったと言えるでしょう。

それにしても今日のスカラ座は素晴らしかった。

輝かしい弦の響き、それからオーボエの弱音での演奏が素晴らしかったこと!


ヴァルガスはこの日は非常に調子が良いようで、

ロドリーゴとの2重唱も決まっていました。

マントーヴァ候などよりもドン・カルロの方が適役だと思います。

只、今回は1階5列とかなり近かったのですが、

後方や4,5階だと声量が足りなかったかもしれません。


イェニスは初めて聴く人。

中音が結構喉が詰まったような声になるところがありましたが、

水準以上の歌唱であったかと思います。

蛇足ですが、意外にロドリーゴの生の歌唱で感銘を受けたのは

両方とも新国での公演で、ヴィスコンティ演出時のブルゾン、

そして最近の演出のガントナーです。

ブルゾンはサントリーのホール公演がボロボロだったのですが、

この時は流石だと感心しました。

でも、全盛期のカップッチッリを聴きたかったな~。


エリザベッタはフリットリで聴きたかったのですが、

日程の関係で今回のエリザベッタはカロージ。

コヴェントガーデンでのエリザベッタの評判は決して良くないようなので

正直言えばあまり期待していなかったのですが、

幕が進むに連れて調子を上げていき、

最後のアリアでは渾身の歌唱を披露してくれました。

決して繊細な歌唱ではないのですが、結構感動しましたね。


ザージックのエボリは十八番。

メットやスカラなどで何十回と歌っている役です。

流石にヴェールの歌はゴツゴツしていますが、

2幕後半以降はドラマッティックな歌唱で、

特にむごい運命よ、では渾身の歌唱で盛んな拍手を得ていました。

ちょっと粗いところがありますが、結構好きなんです・・・


パーペはマルケ王やザラストロを演じるときもそうですが、

見た目が未だ若いので、演技上は若干の違和感がありますが、

歌唱は完璧!これだけの声量・熱の入った歌唱を聴かせてくれたら言うことはありません。

2011年のメットの来日公演のドン・カルロでもフィリッポを唄うのでしょうかね。


大ベテランのコチェルガの宗教裁判長は音程が安定しないものの、

存在感のある歌唱ではありました。


演出は比較的シンプルな作りですが、

なかなか考えられたものでした。

カルロ、ロドリーゴ、エリザベッタの幼年期を同時並行で演じさせた上で

要所要所で効果的にその子供達を再登場させていました。

私はヴィスコンティの素晴らしい演出も好きですが、

今回のような演出もありだと思いました。

また、ステージに近い席だったので衣装も良く見えたのですが、

非常に手の込んだ素晴らしいコスチュームだったのを補記します。