2026年1月2日 昼の部 11時開演

 

昨年は絵本太閤記の武智光秀をあっと驚く風格で魅せつけて高名な評論家も黙らせた染五郎、この人は時代物が本当に良く合うので、今年の石切梶原を楽しみにしていました。石切梶原は筋立ては単純といえばそうである、役者の空気で見せる芝居というのが適当かはわかりませんが、佇まいから発せられる空気が支配する芝居。アンサンブルというよりは、少し古いマルホンなので、役者の力量がそのまま出る怖い芝居でもあります。

 

今日は初日でしたが、最初の刀見聞の場面はお酒が残っていたのか、うつらうつらとしてしまい、胴切りの前あたりから復帰(笑)。その範囲での感想ですが、やはり昨年の武智光秀は別格であったのか、染五郎だとこれ位はやるよな、というインパクトでありました。しかし、言葉を発しない待ちの芝居は本物、この辺りは素晴らしい。まだ初日で硬さが見られましたが、やはり時代物が合うのは変わらず。他の出演者では、珍しく男寅が左團次家伝統の赤面での出演、引っ込み思案な性格で娘役が適役かと思っていたら、今日の赤面、意外に個性があって面白い、由次郎のような空気もありますね。橋之助は少しうるさいが、型は立派。

 

相生獅子は、鶴松と左近。あまり見たことがありませんが、石橋のバリエーションの演目です。よくこなしてはいますが、軸が真っ直ぐではないのがところどころ気になる。踊らされているというのでしょうか、魅力があるのですから、もう少し場数が必要というところでしょうか。最後は莟玉の藤娘、媚びが気にはなるものの、客受けを考えた踊りで華やかさは十分、横幅があるので難しいとは思うものの、左右の揺れが収まればもっと良くなるのではないかと思いますが、最近評判が高まっているだけあって良く踊れていました。

 

染五郎と藤娘(莟玉)人気かチケットは売り切れで大盛況の会場でした。来年もこの座組で古典中心に挑戦して貰いたいものです、では。