タルモ・ペルトコスキ指揮 トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 東京公演
6月8日(月)19:00 サントリーホール 大ホール
指揮:タルモ・ペルトコスキ
ピアノ:辻󠄀井伸行
管弦楽:トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団
プログラム
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲Op.43
マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」
ソリスト・アンコール
セブラック:ロマンティックなワルツ
ペルトコスキ、N響の巨人での指揮ぶりの評判が良く、DGから発売されたモーツァルトの交響曲(36番リンツなど)が素晴らしい演奏だったので、この初夏の来日オケシリーズからはトゥールーズ管のコンサートを選びました。
マーラー6番という大曲(もう一つのプログラムはショスタコ10番!)なので、当然1曲かと勝手に想像していたら、最初は辻井伸行のピアノでパガニーニの主題による変奏曲が演奏されました。録音や放送を聴く限り、ラフマニノフの2番、3番、チャイコフスキ1番などは、スケールがやや小さく聞こえ正直物足りないところがあったのですが、今回のパガニーニ変奏曲は、美質である抒情性が大変活きるとともに、テクニックも十二分で、第3変奏あたりからは最後まで素晴らしい演奏となりました。例の第18変奏は絶品でした。コンサートが終わってから、録音を聴いてみたのですが、確かにこの曲は完全に手中に入っていて、オケ付きのものの録音では断トツの出来栄えでした。入退場はペルトコスキの後ろで両手で肩を持ってというスタイル、他の指揮者だと腕を組むとかですが、少しコケティッシュな感じでした。アンコールは自作は止めてほしいと思っていたところ、セブラックのロマンティックなワルツ、大昔にチッコリーニの演奏でよく聞いていたのを思い出しました、抒情的な彼の美質にあった演奏でした。
さて、休憩後がマーラーの6番、低弦をかなりブンブン跳ねさせてアグレッシブな表現でスタート、ペルトコスキの指揮は各声部を明確に分離させて、アタックの強さとレガート表現の濃厚さを対比させ、なかなか他では聞けない音楽になっており、成程と思わされました。只、全楽章通じてホルンのトップが弱く、全体の印象を悪くしてしまったのは極めて勿体ないことでした。また第2楽章は第1楽章との性格の差を出さないと、同じような曲想が続いていると感じてしまいますが、ここはペルトコスキももう少し為所があるでしょう。第3楽章はかなりテンポがゆったり気味、第4楽章でも例のハンマーも含めて大仰な表現はせず、音楽的である一方、もっと開放的になってほしいところもあったのも正直なところ。最後はオケの音の密度も高まり、また曲の終わりでの聴衆の静寂も良いものでした。才能は十二分にあるのはよく理解できましたが、巨人での評判はやや過剰評価だったのでしょうか?また、是非聞いてみたい指揮者ですので、次の来日で改めて聴いて判断したいと思います、では。


