昔の赤線と映画や文学の話4 | 50代親父の無為な日々

50代親父の無為な日々

変わり映えの無い50代の日乗とお寺巡り、モノづくりと外出の記録

以前アタシは廃墟や赤線跡が好きと言ったが、それは昭和に対するノスタルジーから来るもの、と書いたことがある。

 

そして、この方面の大家と言えば、アタシの場合「小沢昭一」なのね。

チャンチャチャ~の小沢昭一的こころ、聞けなくなってもう10年以上か・・・

 

小沢昭一の晩年(というか死の直後だったような)に出版された2冊、タイトルもそのまんま「昭和の肖像」で、最初に(町)が、しばらくして(芸)が上梓されました。

中身はスゴイの一言、昭和の表通りと裏通りの記録です。

写真家が記録のために残した写真ではなく、小沢昭一の視点で撮られた写真であるのがミソ。

カメラの先にあるものに対する愛情というか、失われてゆくものに対する愛惜の気持ちがそのまんま伝わってくる写真が多いです(単なるスナップ写真みたいなのも多いですが)

 

「昭和の肖像・町」の巻には当然赤線跡の写真もあり、1枚だけ引用させていただきます。

この写真の意味(凄さ)はその筋の方ならわかりますよね・・・

 ※筑摩書房「昭和の肖像・町」税込み3080円

赤線廃止後に旅館転業した「錦水」、その奥にタイガー、錦成と赤線当時の屋号のまま、通りの雰囲気も当時のままと思われますが、これを見た瞬間に魂が震えました。

この写真1枚だけでアタシはこの本を買う価値があると思ってます。

 

「昭和の肖像・芸」も、ストリップから盲目の琵琶法師、瞽女(ごぜ)、見世物まで、ナマめかしい(エロではなく、ナマで生きている)人の貴重な記録です。

 

もう少しピンク強めがいいなら「小沢大写真館」というのもありますが。

 ※ただしこちらはドぎつい写真が多め。

以上、すべて筑摩書房なのね。

ついでに「洲崎パラダイス」「赤線跡を歩く」などなど、この手の方面はことごとく筑摩書房にお世話になっているのでした。

(続く)