ハンガー・ゲーム(映画と小説1~3巻の感想) | ユーリャ・バヴァルスキーの映画感想ブログ

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みた映画の内容を忘れないために、(そのとき何を思ったかを後で見返すと面白いので)映画の鑑賞記録・感想。
ネタバレ有り。

2012年6月、機内で鑑賞。


機内誌の映画紹介を見た時点で、「これって欧米式バトル・ロワイヤルだな」と感じたが、同じ機内誌の特集記事を読むと、本国でもパクリ問題が起こったと書いてあった。


ティーンエイジャーを集めて殺し合いをさせ、それを反乱抑制の手段として使用するというアイデアは確かにそっくり。

調べると、そういった国家によるコントロールを描いた作品は、スティーブン・キングの小説「死のロングウォーク」が原点ということだった。


なので一概に、ハンガーゲームがバトル・ロワイヤルのパクリとは言えないと思うが、生徒達を1つのフィールドに集めて戦わせる、ゲームを盛り上げるため、運営委員会が介入するなどの類似点はある。また特に似ていると感じたのは、続編で元ハンガーゲーム参加者が国家に対しての革命を起こすという点だ。


バトル・ロワイヤルは暴力描写が徹底していたが、ハンガーゲームはファンタジーSFとして見られる作品だった。


映画は、小説のイメージを再現するのが上手かった。特に古代ローマのイメージである馬車や、パネムの奇抜なファッションを、未来都市と上手く融合させていた。

(第十二地区の生活ぶりは、さながらM・ナイト・シャマランのヴィレッジのよう)



映画を見て続きが気になってしまったので、先に原作を読んでしまった。


小説のカットニスが、映画ほど好きになれない。ものすごく腹黒い性格に感じてしまった。

映画では妹思いの強く、心優しい少女としての面が出ていたが、小説では常に疑り深く、他人に心を許さない。革命の象徴として祭り上げられると途端に反抗するも、そのうちにノリノリ。冷めた少女かと思えば、ピータとゲイルの間で揺れまくり。(一瞬、ボッグスにもときめいていなかったか)

読めば読むほど、性格が分からなくなるのと、すぐにふてくされる態度に辟易する。


気になった点:

第3巻での準備チームの3人。

十三地区に、 キャピトルの人間なら精神崩壊レベルの扱いを受けていたにも関わらず、立ち直りが早すぎる。


第3巻のラスト:

カットニスは結局ピータを選んだが、ラストがあっけない。

カットニスに、ピータを選ぶための決め手が何もなかったように感じる。

(タンポポ、破壊ではなく再生、希望を与えてくれるピータ、と理由づけはしてあったが)

昔、マンガの「あずきちゃん」で、あずきちゃんが勇之助君と竜一で揺れ、ラストでいつのまにか帰国した勇之介君とあっさり結婚していたのと同じくらい唐突に思えた。


原作をどのように映像化するのかが気になるので、(フィニックやビーティーを、誰が演じる?)今後2作目、3作目が出るのであれば映画館に行くかもしれない。