最近読んだ好きな本の紹介です






「日日是好日」 森下典子 著


ブロ友さんが以前紹介していたので読んでみましたが、とても良かったです。




内容は著者の森下典子さんが大学生の頃から25年間、お茶のお稽古に通っていた時に感じた様々な出来事についてのお話しです。



森下さんもおっしゃっていましたが、自分も「お茶の稽古」というと、格式張った礼儀作法、古くからの慣習に縛られた窮屈な世界だと思っていました。



だけどこの本を読んでみると、お茶の世界ってそんな世界なんだ!と驚きました( ・∇・)



そして文中の独特な表現がとても心地よく心に響いてきました。










「お茶はまず先に形を作っておいて後から心が入るもの」

様々な作法に悪戦苦闘している主人公に先生が言った言葉ですが、最初から心を込めてやるものかなと思っていたのですが、形を作るのが先、頭で考えるのではなく手に聞きなさい、というのは意外でしたね。








「過去のたくさんの自分が、今の自分の中で一緒に生きている気がした。」

好きなフレーズです(^^)











そして激しい雨の音を聴いている時にふと主人公が感じたこと…
してはいけないことなど、何もない。
しなければいけないことも、何もない。
足りないものなど、何もない。
私はただ、いるということだけで、百パーセントを満たしていた。」

雨の音を聴いているだけで、このような心境になるなんて不思議ですね。
余談ですが自分も最近これに似た経験をしました。とある会場でバンドが楽しげな曲を演奏していたのですが、その大音量の音楽を聴いていると、現在抱えている不安な感情がどこかに消え去っていく不思議な感覚を感じました。
音や自然には人を癒す何かがあるのかも。









過去や未来を、思う限り、安心して生きることはできない。今を味わうことだ。」

今この瞬間に集中する。ジェダイの教えと同じですな(^。^)









「学校では、決められた時間内に、決められた正解を導き出す考え方を習う。早く正しい答えを出すほど優秀だと評価され、一定の時間を過ぎたり、異なる答えを出したり、またそういう仕組みになじめない場合は、低い評価が下される。」

学校だけではなく会社や社会的にもこういう風潮は多いですよね。あらかじめ決められた答え(上の者がそうして欲しいことなど)を先回りして提供することが評価される。
しかし、お茶の世界ではお茶を分かるのに時間制限はなく、どの答えが優れていてどれが劣っているということもなく、個人のありのままを受け入れてくれる大きな自由があるそうです。
古い考えに支配された狭く閉ざされた世界かと思いきや、厳格な作法の奥に、その人の個性や成長にあわせた大きな度量のある世界が広がっているんですね(`・∀・´)








この本を読む前と呼んだ後では、茶道に関するイメージがガラリと変わりました。
和菓子のアレコレとか道具のデザインとか、季節を感じることとか、深くて広い宇宙を感じました。


お茶に限らず、想像しているイメージとは違うまだまだ自分の知らない世界が世の中にはあることを思い知らされました。
気になった方はぜひ読んでみてください。