親不孝は昭和の香り。昭和の香りに誘われて、糸魚川の街を歩きました。ただならぬ香りを漂わせる、「歌声」の文字から、美しいアールのタイルに、芸術的な扉。建物を潜ると童心に返りワクワクします。中はどうなっているのでしょうね。奥の空き地に、想像力が働きます。「親不孝通り」と呼ばれる、この路地。街に灯が点る頃、どんな表情に変わるのでしょうか。見事なアーチに「歓楽街」の文字。昭和の香りに酔いしれながら、しみじみくぐりました。………………………………………………後ろ髪引かれつつ「歓楽街」を後にすると、雁木造の建物が見えます。アーケードのように、雪を避けて客人を迎える。北国の人の温もりを感じてなりません。そして、ここは塩の道。糸魚川の街を鍵の手に進んでいきます。ここから信州松本城下まで120キロ。塩や海産物を運びました。小学校の前には、雄大なアルプスを背にして蒸気機関車が迎えてくれました。……………………………………………………………駅に戻れば、高架下にしびれる鉄道文字。ホーロー板に鉄道文字。昭和な者には身動きが取れないぐらいの衝撃です。そんな糸魚川駅は、日本海に一番近い新幹線の駅です。日本海を目に焼き付けていたところへ、「さあ帰るぞ」と、はくたかが私を迎えに来ました。昔、塩の道。今、…。令和に元号が変わろうとしている今、昭和の面影を探す旅。新幹線で日本は狭くなりました。ありがたく利用させていただきましょう。