ダイヤ改正前の南小谷駅であずさ3号を降りると、青空の下で武田菱が輝いて見えました。
この光景もこれで見納めです。
大糸線の電化区間もここまで。

ここから北は、1日当たり平均通過人員が100人という、大糸北線と言われる大糸線のJR西日本区間です。三江線の次は大糸北線か、と存続の危機が囁かれる秘境路線です。
大型のディーゼルカーはもう想い出の彼方へ。かつての三江線を思わずにいられません。
折戸を手で押して開けます。
あずさから乗換えの人で賑わっていましたが、
途中駅での乗り降りはほとんどなく、
美しい青空の下を、日本海へ向かい、姫川に沿って下っていきます。
姫川はやんちゃ姫。こう見えても、度々暴れます。
景色に見とれているうちに、雪が少なくなり、
糸魚川駅に到着です。
北陸新幹線の開業により、JR西日本の在来線としては大糸線だけポツンと取り残されて、
えちごトキめき鉄道の駅を間借りしているよううな、そんな糸魚川駅。
新幹線へは改札を出ての乗換えです。

がんばろう!糸魚川
糸魚川の町と言えば、2016年12月22日に147棟が焼かれてしまう大火がありました。

日本海口を出ると、通りの先、真正面が日本海です。
春は名のみの冷たい風が、頬を撫でました。

反対側のアルプス口には、レンガ三連アーチが。
糸魚川駅のシンボル的な存在だった旧糸魚川機関区にあった1912年生まれの赤レンガ車庫は、2010年、北陸新幹線工事に伴い解体されてしまいましたが、入口の三連アーチがモニュメントとして復活しました。

そして、そのアーチの向こうの駅舎の中には大糸線で活躍していたキハ52が。
たまに赤レンガアーチをくぐり、広場に出てくるとか。
引退してもなお、旅人や地域の人々を癒しているキハに元気をもらいました。ありがとうございました。

がんばろう、糸魚川。
がんばれ、大糸北線。