
一瞬のホワイトアウトを繰り返す車窓に、束の間の青空が眩しいです。

太宰治「津軽」に書かれた、津軽の七つの雪。
こな雪、つぶ雪、わた雪、みず雪、かた雪、ざらめ雪、こおり雪。
ストーブ列車は、そんな津軽の雪の中を走ります。

終着、津軽中里駅に到着です。
アテンダントさんが車内点検をし、折返しの準備です。

雪の積もったホームに降りると、
ストーブ列車の車内の温もりが恋しくなります。

君が去ったホームに残り
落ちてはとける雪を見ていた
と、ハナウタのなごり雪は春の雪。

降り積もる雪 雪 雪 また雪よ
津軽には七つの雪が降るとか
新沼謙治さんの津軽恋女。
粉雪と演歌の調べと。心が洗われていくようです。

ストーブ列車はまた、白い津軽平野へと走り出しました。
一人残された津軽中里駅のホームにて。
ストーブ列車の残した温もりが、今年もいい一年だったじゃないかと語りかけてくるようでした。