津軽には七つの雪が降るとか。
今日の雪は、粉雪でしょうか。
年末寒波襲来。
正月飾りの津軽五所川原駅。

しばれるねえ。
冬は寒いから
ストーブ列車がいいんだよねえ。
と、年末寒波に誘われてやってきました。

車内では、観光アテンダントさんによるおもてなし。
ストーブでスルメを焼いてくださいます。
スルメが焼けるまでの待ち時間でさえも、車内に溢れる郷愁感で心が満たされていきます。

しみじみ飲めば、しみじみと。
スルメを肴に、のみすぎちゅういのストーブ酒。

車掌さんがストーブに石炭をくべます。
あったかいですね。
アテンダントさんとの会話は津軽弁。心が更に温もります。外の雪を溶かしてしまいそうな、温もり。津軽弁が魔法をかけてくれるのでしょうか。
冬の芦野公園駅は墨絵のよう。
春には、桜吹雪のトンネルに変わります。
一瞬のホワイトアウトを繰り返す車窓に、束の間の青空が眩しいです。
太宰治「津軽」に書かれた、津軽の七つの雪。
こな雪、つぶ雪、わた雪、みず雪、かた雪、ざらめ雪、こおり雪。
ストーブ列車は、そんな津軽の雪の中を走ります。

終着、津軽中里駅に到着です。
アテンダントさんが車内点検をし、折返しの準備です。

雪の積もったホームに降りると、
ストーブ列車の車内の温もりが恋しくなります。
君が去ったホームに残り
落ちてはとける雪を見ていた

と、ハナウタのなごり雪は春の雪。
降り積もる雪 雪 雪 また雪よ
津軽には七つの雪が降るとか

新沼謙治さんの津軽恋女。
粉雪と演歌の調べと。心が洗われていくようです。
ストーブ列車はまた、白い津軽平野へと走り出しました。

一人残された津軽中里駅のホームにて。
ストーブ列車の残した温もりが、今年もいい一年だったじゃないかと語りかけてくるようでした。