懐かしさを覚える行灯。
書体にシビれます。

福島交通飯坂線は、飯坂温泉にいく電車。
「いい電」です。
首都圏の「E電」は定着しませんでしたが、こちらの「いい電」は元気です。

車内の暖簾に、湯けむり。
車掌さんがここに立つと、制服のまんまで温泉に入っているように見えますよ。遊び心がいい電車。

元東急の電車です。
この椅子、東急ユーザーの方々は懐かしいのではないでしょうか。
貫通部分にも、暖簾。
ビバノンノン、いい電だな♪

終点、飯坂温泉駅。
有人改札と、昭和50年代を思い出させるデザインの案内標。
いい電は福島から坂道をじわじわ上り、温泉街に突入したところで、終点になっています。


駅の目の前は十綱橋。大正4年生まれで、現役のアーチ橋としては、最古参の一つです。飯坂温泉のランドマークですね。
お出迎えの松尾芭蕉さん。
飯坂温泉は松尾芭蕉さんも奥の細道の途中に立ち寄ったのです。
心惹かれる、東北有数の温泉街です。

摺上川沿いに緩やかにカーブした道の、右奥に見えるのが共同浴場「波来湯」です。
湯船が激アツの飯坂温泉の中では、やさしめの温度の湯船が用意されています。私は激アツが好きですが。
波来湯のテラスより。
摺上川沿いに宿泊施設がひしめき合っています。
いらっしゃいませ。
静かなお部屋が空いております。
良き時代のご案内ですね。

一風呂浴びてとんぼ返り。
温泉電車、最高です。
横っ腹のコルゲートが昭和の香り。
コルゲートはひずみを隠すために用いられたとか。今は技術の進歩により、姿を消しています。

そして、おトクないいきっぷ。
いい電の1日乗車券は800円。
これ一枚で共同浴場にも入れます。

火照った体をいい電に身を任せ、湯の香をまといながら福島駅から新幹線へ。
昭和の香りたっぷりの温泉電車。
ささやかな贅沢です。