舞妓さんに誘われて、商都酒田。見事な欅並木と、それに守られる巨大な倉庫群。吉永小百合さんのポスターにも登場しています。昔は舟運が盛んでした。ここは、酒田市の山居倉庫です。酒田は江戸時代に西回り航路によって北前船が出入りした港町。庄内の米を積んだ船はあらゆる物資を積んで帰ってきました。そこには沢山の豪商が生まれました。江戸時代には、西の堺、東の酒田と言われた商都酒田。「徳を施し 得をえる」という哲学があったと言われる酒田商人。素晴らしいですね。豪商も多く、市内には立派な料亭が見事に残っています。そして、現代産業遺構と言いましょうか。料亭の前にそびえるキャバレーも、それは見事な昭和の香り。スナックのような、そうでないような、芸術を感じる、一枚の扉。香ばしい文化の香りも漂います。料亭の横の粋な小道。平成7年まで現役だったこの料亭では、舞妓さんの演舞が見られると聞いたので、その時間にお邪魔しました。Japanese beauty館内は撮影禁止ですが、舞妓さんの演舞後に撮影の時間をくださいました。それはそれは美しく優しいお声で「こればええ。」、「こればええ。」(お越しになればいいじゃないですか。)と、しっとりと艶やかに舞う姿に感動しました。高級料亭での大広間で、100年、数十年前の情景を頭に描きながらの15分。私にとってはタイムマシーンの疑似体験そのものでした。酒田駅の観光案内所で貸してくださる自転車。とても助かりました。徳を施し、得をえる。商都酒田。ハイレベルな昭和の香りに、甚だ恐れ入りました。