都城駅、午前7時30分。
あたらしい朝がきました。希望の朝です。

今期のダイヤ改正で1日3往復の減便になるという吉都線。「吉都カット」だなんて騒がれていますけれども、JR九州の中で最も赤字の大きな鉄路に、私はただただ郷愁を求めてやってきました。

さて、霧島連山を望みつつ出発です。
平仮名だとインパクトがある「まんがつか」。
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たった1両ワンマン運転の吉都線。映し出す影も、たった1両。
吉都線沿線の中心、小林駅に到着です。
小林を過ぎると、ほとんどの人がおりてしまいました。車内ではこの風景を独り占めです。
車窓はごちそう。孤独のグルメです。
車窓は想像の入口です。
そういえば小林市のPR動画が面白かったことを思い出しました。
ンダモシタン小林。
何度見てもオチがいいですね。
そんな小林市をゆっくり走る吉都線。
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えびの飯野駅では、手作りの横断幕が迎えてくれました。胸にジンときます。
駅舎は1960年生まれ。洒落た味わいです。
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そしてこちらも平仮名のインパクト。
えびの、いいの。えびがいいの。えびがすきなの。だから、えびのいいのください。
(スーパーの鮮魚コーナーの風に。)
しみじみ駅名標を眺めていると、
交換列車がやってきました。ドアが閉まります。
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こちらは、えびの駅。風格のある大正元年生まれの駅舎です。
平仮名の「えびの市」。昭和41年に飯野町、真幸町、加久藤町の3町が合併した際に平仮名の自治体「えびの町」が誕生。昭和45年に市となりました。駅名の改称は平成2年。えびの駅は加久藤町の中心にあり、旧称は加久藤駅でした
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京町温泉駅。響きが美しいですね。
人々の暮らしに溶け込むように、温泉がある町です。
鶴丸駅。ホームにある待合スペースは香ばしさの中に清潔感が漂っています。地元の皆さまの愛があってこそと存じます。この辺りにはモール温泉があります。
次は終点吉松です。いよいよ運転士さんもいなくなりました。
なんてことはありません。後方運転台です。
こちらは、吉松駅手前の踏切です。
架線がないのでお空まで広々。
右手がえびの、都城からの登ってきた鉄路。
左はこれから人吉に向かって矢岳越えに挑む肥薩線の鉄路です。高低差が道の険しさを物語っています。