冬晴れに映えるタラコ色。
復活!遠江二俣駅。
国鉄二俣線の遠江二俣駅は、天竜浜名湖鉄道に引き継がれた際に天竜二俣駅に改称されました。
天竜二俣駅構内には、懐かしい車両が保存されています。
駅前にも蒸気機関車が静態保存されています。
温かみを感じる、
鉄道愛に溢れています。

さて、そんな天竜二俣駅の片隅に、こんなに香ばしいものが残っていました。
こ、こ、これは!
ホーム跡です。
阿蔵駅として開業。後に二俣口と改称されています。

昔むかし、光明電気鉄道という名の電車がこの地を走っておったそうです。昭和3年の開業から、廃業まで僅か6、7年。まだまだ電車が珍しい時代に、遠州を時速60キロで彗星の如く走り抜けましたが、もともと経営状況は良くなく、電気料金の滞納で送電を止められて、廃止に至ってしまったのです。「幻の鉄道」、「悲劇の鉄道」と語られている、とても興味深い鉄道です。
天浜線の天竜二俣駅から豊岡駅までの区間は、なんとこの光明電気鉄道の線路敷を活用しているのだそうです。
 
涙腺がホロッと来てしまうような、そんな切ないホーム跡でした。

もう少し足を伸ばして、二俣の町並みへ。

ここを昭和の初めに電車が走っていたのですね。
町並みは、
何も言わないけれど、
これまでここで暮らす人々が織り成す、沢山のドラマの舞台となってきたことでしょう。
これからも、あたらしい毎日を積み重ねていくのですね。

僅かな期間でも、みんなの夢を乗せて颯爽と走り抜けた鉄道がこの町に確かにあったこと。
ホーム跡は何も言わないけれど…、
それに気づく人が一人でも二人でもいる限り、ここにその姿を残していて欲しいと思うのです。