『自然な建築』隈研吾 | 雨々ver2

『自然な建築』隈研吾

概要:

東京ミッドタウン内にあるサントリー美術館をはじめとして、様々な建築を手がけている建築家・隈研吾の作品群を、そのコンセプト『自然』をキーワードにまとめている。

20世紀・モダンの建築は、グローバル(普遍的・画一的)なコンクリートという素材で具象されていた。
しかし、表面の強固さとは裏腹に、内部からの劣化が激しいコンクリートのように、モダン建築は表象と存在との分裂を許容する。

そのような時代の建築で失われてしまった、建築物と環境を結びつける『自然』に着目した隈氏。


「透明な石の壁」を持つ、栃木県芦野の『石の美術館』。

形がなく、外観がなく、竣工日時もない『亀老山展望台』。


日本を代表するポストモダン建築家隈研吾氏の軌跡である。




感想:

建築家は哲学者。

世界は物理空間と思想空間の2つで構成されているが、物理空間を組み立てるのが建築家で、思想空間を組み立てるのが哲学者だと思う。


隈氏の作品群は、モダン建築を超えて「自然」に回帰する一方で、現代の科学をフルに活用している。

弁証法的にモダン建築を乗り越えた、まさにポストモダン建築だ。

自然な建築 (岩波新書)/隈 研吾
¥735
Amazon.co.jp