黒くすれば済むと、
思っていた。
スチールラックは、
表面のコーティングを剥がさないと、
塗料が乗らない。
ヤスリで削り、
プライマー、
黒ペンキ、
アイアンペイント。
これで、鉄っぽくできると思っていた。
ただ、
一点だけ引っかかった。
ポールには、
スリーブを固定するための溝がある。
塗膜で埋まったら、
スリーブが入らなくなる。
ネットで調べてみるが、
塗装した例は見つからなかった。
黒いラックは売っている。
わざわざ塗る人が
いないのかもしれない。
塗装を分ける方法を思いついた。
スプレーなら、塗膜は薄いはず。
ポール部分をスプレーで吹きつけ、
それ以外は刷毛で塗る。
でも、
成功するかどうかわからないので、
小さなラックで、
実験してみることにした。
シェルフ部分も塗装すれば、
完成型も確認できる。
塗装が終わり、
乾燥を待って、
一番気になっていた溝を、
そっと、指先でなぞってみた。
・・・
埋まってない。
スリーブをはめると、
カチッと音がした。
固定も問題なかった。
ポールのマットブラックと、
凸凹のアイアン部分。
思っていた以上に、
相性がよかった。
テストは成功したが、
塗膜は思っていたより薄かった。
吹きつけが足りなかった部分は、
うっすら、銀色が見えている。
それに、
実際は、これの何倍も大きく重い。
シェルフがポールに接触したとき、
剥がれるかもしれない。
塗装の問題は解決されたが、
また別の不安が浮上してきた。
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