サントリーホール

              

【Program】

ラヴェル
 ソナチネ
 高雅で感傷的なワルツ
 夜のガスパール

* * *

リスト
 巡礼の年 第2年「イタリア」
  1.婚礼
  2.物思いに沈む人
  3.サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ
  4.ペトラルカのソネット第47番
  5.ペトラルカのソネット第104番
  6.ペトラルカのソネット第123番
  7.ダンテを読んで — ソナタ風幻想曲

* * *

 EC シューマン:トロイメライ
   ショパン :英雄ポロネーズ



最終公演。
席は前方下手よりなので顔は見えず、その代わり後ろ姿や手元、ペダルがよく見えました。


ラヴェルの中ではシンプルなソナチネ。
1楽章はそんなシンプルさが美しく、音が優しい。
2楽章で出てくる右手の装飾音が今日はよく聴こえた!
3楽章のトッカータ風?だけど旋律が綺麗✨


ガスパール。
鏡より断然好き。特にオンディーヌ!
この曲を6回も聴けた幸せ🥰
コロコロ変わるオンディーヌの心?儚い感じも伝わって、それと同時にソンジン君の弾くこの曲ともお別れなのかと思うとウルウル🥹
絞首台は何かが迫ってくる、闇に閉ざされたような感じで音が深く。
スカルボはなんか悪意的ないたずら(笑)。
そしてそれを楽しんでいるようなソンジンくん。


高雅…ワルツ。
出だしの和音がグロテスクな…と同じように、一歩間違えるなんだ?という音になってしまう。
基本的にそういう和音が多い。
楽譜見て音だけさらう(それしかできない。弾けない。)と感じる!
その絶妙な音を生み出して、素敵に聞こえるように作曲するラヴェルはすごい。
それを私たちにも分かるよう解釈し、聴かせてくれるソンジンくんもすごい。

欲を言えばあの豪華絢爛な「ラ・ヴァルス」も聴きたかった✨


リスト:イタリア
散々色々と感想言いながらもうこの曲に関しては何も言えない…。

思いが深すぎて語れない…。
台北RecitalでDanteSonataを聴いた時、日本でやらないのは罪!とずっと思っていたので、機会ができ嬉しかった!


アンコールでビックリ。
最終公演だからなにかサプライズ的な…あるかな?3曲?とか思っていました。
そうしたら、トロイメライの後、さてさて、道化師?と思い構えていたら「ジャンッ!!!」と聞こえた瞬間会場全体が「おーーー!!!!!!」という雰囲気に包まれ、ショパンの英ポロでした。
そう来たか―!と、嬉しかったです。

 


ココの部分がすごい好きで、フォルテからピアノになるあの切り替え。時々このオクターブのとこも割と大きく弾く人がいるけど、それはヤメテ―と…。ソンジンくんのは絶妙で本当に好きです。


リストが終わった後も、アンコールが終わった後も、こんなにスタオベする人たちが多いサントリーって初めてで、会場全体が【リサイタルツアーの成功】を物語っている雰囲気に包まれました。
本人はそれを喜んで?いるような?いつものサラッとした笑顔で、サラッと手を振って舞台から去っていきました。

                      【一部JAから写真お借りしました】

 

6公演、同じ公演はないんだと実感。
毎回新鮮な感動を与えてくれる。
ホールも全て個性があって、音が違うとよく分かりました。

ソンジンくんには、自分の実力を「すごいでしょ!」というのが全くなく、謙虚で思慮深く、曲に対して尊敬の念を持っているのを感じました。いつも感じています。

pppからfffまで多彩な音で全てに無駄がない。


Japan Recital Tourを、いや、もはやこの世に生まれてくれて、ピアノを弾いてくれて感謝です。
同じ時代に生きている幸せ。
これからも素敵な音楽が聴けることが楽しみ!
いつまでも健康でいて、音楽を届けて欲しいです。

 

長いようで短かった8日間が終わりました。