ふと窓を見たら、カーテンの向こうに虫のシルエットがありました。

いつもの黄金虫たちとは違います。

 

そっとカーテンを開けてみました。

そこにいたのは、彫刻のように動かない若いセミ!

網戸にしがみついています。

 

今年、初めて、見ました。

 

朝と言っても、8時近くです。

庭の片隅で羽化し、やっと飛べるようになって、二階の窓まで飛んできたのでしょうか。今まで暮らしていた地面の中とは全く違う世界にとまどい、同時に、その美しさに感動しているかのようでした。

 

 

あまりに見つめたらかわいそうなので、スマホで写真を撮ったら、すぐにカーテンを閉めました。しばらくしてから見たら姿が消えていたので、新しい世界を満喫するために、どこかへ飛んでいったのでしょう。

真下には桜の木があります。小さな庭ですが、セミが生まれてくる庭です。ほかにもセミが休める木々があるので、涼しい木陰で休んでいるのではと思いました。

 

今日も30度を超える天気予報ですから、生まれたばかりのセミにとって過酷な1日にならないよう、祈りたい気持ちです。

 

 

その後に、庭の掃除をしました。

 

隣家は、我が家の数十倍広い、300坪ぐらいの庭があります。

隣家の庭からはセミの大群が生まれ、大木の木々に集い、セミたちの大合唱が毎日聞こえてきます。ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシと、セミたちが変化しながら、夏中賑やかになります。でも今はまだ、静かなものです。

 

 

そんな隣家との境のコンクリート通路の上に、セミの抜け殻が落ちていました。

コンクリートの上では味気ないので、近くの雑草の上で写真を撮りました。

 

 

セミの抜け殻も、今年の「お初」です。

5月ごろ、暑い日に続いた時に、時を間違えたらしいセミの抜け殻の破片を見つけましたが、こんなにきれいに脱皮した抜け殻は、今年の第一号です。

 

朝、二階の網戸にいたセミの抜け殻なのでしょうか?

全く違うかもしれないけれど、なんだか愛おしくなります。

 

セミは、オスが鳴き、メスは鳴きません。

まだセミの鳴き声が聞こえないから、脱皮したのはメスかもしれません。

 

30度越えの暑さが続けば、間もなく、地面からセミたちがわき出て、大合唱をすることでしょう。

梅雨明け宣言はまだですが、生き物たちが季節の変化を教えてくれます。