2013年6月11日 火曜日 雨

 

 

 4時間かけて、ちはるちゃんと、しばちゃんが来てくれた。

 

 

 ちはるちゃんと、しばちゃんは、幸太郎が専門学校に通っている時に行った研修先のホテルのスタッフ。スタッフと言っても、2人は幸太郎と同い年。

 

 

 幸太郎は、この研修で出会った彼女たちの事が忘れられなくて、専門学校を卒業する前にも自分ひとりで彼女たちに会いに行っていた。

そんな私の知らない幸太郎の話しを聞けることが楽しみだった。

 

 

 

 幸太郎は売店担当で、最初はおとなしくて何も話さなかったらしいけど、ちはるちゃんが

「あの子、面白いよ。」って言ったことで、毎日仕事が終わってから遊んでたんだって。

 

 ちはるちゃんもしばちゃんも、幸太郎と同い年だけど、幸太郎は仕事上では先輩だからと、ちゃんと敬語で上の名前で呼んでくれてたって。

 

 研修最後の日に、彼女たちが幸太郎に手紙を渡してくれて、

あとで幸太郎自身から

「別れた時に泣いて、バスの中でも泣いて、手紙読んで泣いた。」って言ってたらしい。

 

 楽しかったって。あの時が一番楽しかったって。

 

 

 

 幸太郎の色々な話しがひと段落して、私は勇気を出して彼女たちに、幸太郎が死後に携帯で発信していたことを話した。彼女たちには伝えたいと思った。

 

 でも、2人は少しも驚かなかった。

 

何故なら、ちはるちゃんは、見える人だったから。いわゆる霊が。

 

 

 

 私と幸太郎の話しをしている時、既に、ちはるちゃんは、私の後ろにいる幸太郎を見ていた。

和室の掛け軸の所に行ったり、トイレの方に行ったりと影が見えると言う。

それで、「顔を見せてくれないかな」と思ったら、私の左横から顔を出してくれて、研修の時と同じ笑顔だけど、その時の笑顔と比べ物にならないくらいの幸せ以上に幸せという顔をしてると。

 

 ちはるちゃんは、幸太郎がいたことがとても嬉しくて泣いてしまった。

霊が見えると言うのは、うっとおしくって仕方がないくらい嫌なことらしいけど、幸太郎が見えたことは良かったと。

 幸太郎が亡くなった時、ちはるちゃんは友達の誰かが亡くなったと直感したらしく、しばちゃんも、3月15日以降、前の携帯に入っている幸太郎の写真を何回も見て、あの頃楽しかったなぁって何度も見ていたと言う。

 何で、3月15日ってはっきり覚えているかっていうと、彼氏と別れた日で、それでいつもなら彼氏と電話していたのに、暇だったからと滝汗

 

 幸太郎は、ちはるちゃんが見える人だと知っていたらしいけど、そういう話しをしようとすると

「止めてください。」と言っていたらしい。爆  笑

 

幸太郎、やっぱりそばにいてくれてたんだぁ照れ

 

 

2人は、その後もうちに来てくれて、今もラインでつながってる。