アニメ【烏は主を選ばない】 第14話「禁断の薬」感想・ホラー展開の始まり? | 占いworld♡エンタメ部

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農村と思しき中の一軒家。毛むくじゃらの怪物が家人を襲い、食している様子。赤ん坊を抱き物陰に隠れる子供。食べ残した死体を引きずって、家から出ようと歩く怪物。赤ん坊が突然泣き出し、黄色い目のオラウータンのごとき怪物が子供と赤ん坊に襲い掛かります。ホラーで始まる「烏は主を選ばない」第14話。

 

垂氷に帰った雪哉。寝坊を母梓に起こされ、慌てて鳥形になり、兄弟がいる梅林に飛び立ちます。

 

北領垂氷郷長一家について。北領の長が北家当主で、北領には垂氷を始めとする各郷があり、雪哉たち三兄弟は垂氷郷長の息子。梅の収穫の手伝いに彼らが出向くというのは貴族然としていなくて素敵です。一応地方貴族ですものね。長男の雪馬からして領民の子供をおぶって面倒みてるのが素晴らしいです。人の上に立つ身分の役割と責務を忘れ、威張りくさるだけのよくありがちなバカ者たちとは大違い。だからこそ雪哉は何をおいてもこの家族を大事に思うのでしょうね。

 

 

収穫作業の梅林に狂った大烏が現れ、領民を襲います。逃げ遅れた老人を庇う雪哉。危ないところを救ってくれたのは、若宮に仕える墨丸に扮した若宮でした。郷長宅で歓待される墨丸は「禁断の薬」を調べるために訪れたことを告げます。

 

 

墨丸「殿下直々のご命令です」

雪正「あぁなんと。さすれば、墨丸殿には全力でご協力しましょう。北領の治安にも関わることですし」

墨丸「助かります。つきましては、雪哉殿をお借りしたいのですが」

雪正「雪哉を?いや、しかし、このぼんくらでは」

雪哉「謹んでお断りします!そんな重要なお役目、僕には荷が重すぎます。今日だって収穫を手伝う約束をしながら二度寝してしまったし。ご協力は惜しみませんが、お供をする自信はありません。僕ではなく、長男の雪馬を是非!」

雪馬「いえ、どうぞ雪哉をお連れ下さい。充分お役目は果たせると思います。弟はやればできる奴ですから」

雪哉「何言ってんですか!僕は中央で散々迷惑をかけて」

雪馬「向こうでどんな仕事をしたか、お前は何も話してくれないじゃないか。ただ役に立たなくて追い出されたとばかり」

雪哉「兄上!」

雪馬「一年間、共に過ごした墨丸殿がまたお前を望んでいるんだ。それが何よりの答えじゃないのか」

 

父雪正は実直過ぎて、雪哉のぼんくら演技をそのままに受け取っているようですが、母梓と兄雪馬は雪哉がわざとぼんくらを装っていることをわかっているのだと思います。この郷長一家の偉ぶらない気風は雪正の影響によるところが大きいのでしょうが、雪正は真面目過ぎて機微に疎い面があるのかもしれません。だから雪哉のふるまいを文字通りに捉え、彼をぼんくらだと考えているのでしょう。その点、母梓と兄雪馬のふたりは雪哉の意図を察しているように思います。

 

垂氷郷栖合。夜、酒盛り中の人々。部屋の片隅の囲炉裏端にいる小梅と小梅の父治平。治平は「もう仕舞にしよう。どこか田舎で暮らそう。俺はかたぎになる」これまでも同じことを何度も聞かされているらしい小梅は父の言葉を信じられないのか、厠に行く、と席を立ちます。近くには治平を見張っていると思われる人相の悪い男たち。垂氷郷栖合の山先からは地上に星を散りばめたような灯が見えています。

 

 

垂氷郷長宅。

雪哉「見事的中ですね。金烏の勘?それともはなからこうなると見越してたんですか?若宮殿下」

墨丸「勘違いされては困る。若宮殿下は宮中にて立派にお役目を果たされている。今の私は若宮殿下の側仕えである墨丸以外の何者でもない。それにお前を連れ戻しに来たわけではない。地元の協力者がいれば余所者が聞き込みをしても警戒されないからな。お前がいてくれると有難い。嫌なら無理強いはしない」

墨丸「薬の存在を知ったのは10日前だ。花街からの陳情書に烏の姿になったまま戻れずに暴れている遊女がいるとあった。調べてみると同様の例は既に中央全域に見受けられ、そして垂氷に怪しい薬を売り歩く男がいると知らせを受けた。この手の快楽を得る薬は今までにもあった。いずれも谷合の連中が管理しているのだが、今回の薬の出処は彼らもつかんでいないようだ。わずか数度の服用で気を失い、人の形をとれなくなる。中央の薬師が総力を上げて治療法を探しているが、未だ元に戻れる方法が見つかっていない。このまま手をこまねいて山内に蔓延するようなことにでもなれば」

雪哉「垂氷が、八咫烏の存在そのものが危うくなる?」

 

薬の名前は「仙人蓋(せんにんがい)」薬を遊女に与える怪しい男。そして金に物言わす頭巾姿の怪しい女。

 

雪哉は家族全員に見送られ、墨丸の調査の供として出立します。手を振ってふたりを見送る弟雪雉がとても愛らしく、兄雪馬はイケメン♡ 雪馬はお母さん似ですね。面差しも気質も。

 

若宮「いい兄弟を持ったな、雪哉」

雪哉「卑怯だな、殿下は」

若宮「卑怯?」

雪哉「嫌なら無理強いしないとか言っちゃって。わかってたでしょ?僕が垂氷をほっとけるはずないってこと」

若宮「あぁ、そうか。ま、お前も自分の大切なもののためにせいぜい励んでくれ」

 

垂氷田間利。若宮と雪哉は、栖合の山の端にゆらゆら揺れる不知火が出たと話す人たちに遭遇します。その中の栖合へ行く予定の者から荷物を預かり、若宮と雪哉は不知火と仙人蓋の関連を調べに栖合へ赴きます。到着した目的の家には人の気配がなく、異様な匂いが。若宮は刀を手にし、雪哉に「すぐに飛べる用意をしておけ」と言います。入り口から家の中を覗くと、そこには大型の化物が何かを食べています。振り向いた大型の猿のような化物を若宮と雪哉が目撃したところで次回へ続きます。

 

 

垂氷郷栖合の山先から地上に星を散りばめたような灯が不知火。これまでの「烏は主を選ばない」は桜花宮中心に展開していましたので、危ないシーンが少なかったですが、前回第13話と今回の第14話はアマプラではレーティング13+になってます。今後はホラー色が強くなるというか、血を見ることが多くなるかと思います。原作では結構えげつないシーンもありますが、そのままを画にすることはないかと思うので、どのように編集されるのかも楽しみだったりします。

 

前回からお休みがあっての再開でしたが、第14話ということで同じシーズンの扱いのようですね。そのためか、オープニングに変更はない模様。エンディングは画像のみ新しくなっています。エンディングの新メンバーは路近と小梅で四姫は退場。エンディングラストの画像が若宮と澄尾と雪哉の3人で先々の展開を思うと非常に尊く感じました。オリンピックの関係で第15話までまたしばらく時間が空きますが、次も期待して待っています。