射日神話と十干と殷王朝の話 | 占いworld♡エンタメ部

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アニメ魔道祖師 前塵編第十三話「死地へ」は魏嬰が乱葬崗へ捨てられてしまう回。魏嬰所在不明の中で温氏討伐の決起が行われ、聶明玦が檄を飛ばすシーンがあります。

 

聶明玦「五帝の時代には太陽が10個出て山河は枯渇し民は苦しんだ。今の岐山温氏の暴挙はその災いに匹敵する。当時の英雄羿(げい)は9個の太陽を射落とし天下を救った。そして今ここにいる皆が当代の羿なのだ。此度の温氏討伐でも太陽を射る。その名も射日!」

 

天帝・帝夋には10人の太陽となる息子がいました。交代で1日に1人ずつ地上を照らすことになっていましたが、ある時10人が同時に現れ、地上は灼熱にさらされてしまいます。当時の帝・帝堯は天帝に乞い、遣わされたのが羿(げい)でした。羿は10体の太陽に交代で出るように要請しましたが、聞き入れられなかったため、1体だけを残して他を射落としました。この10名の太陽の名前が「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」で、1体だけ残ることができた太陽が「甲」です。

 

中国の歴史は三皇五帝の後に夏王朝、次に殷王朝が続きますが、考古学上で実在を確認されるのは殷王朝からです。殷墟からは甲骨文字が出土され、これが最古の漢字と言われています。殷には多くの氏族がいましたが、その中の有力な氏族が「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」を名乗っていたそうです。殷王朝の王名にも十干が使われています。


墨香銅臭さん原作の魔道祖師、天官賜福に続き、最近はクズ悪役の自己救済システム(人渣反派自救系統)にも手を伸ばしているのですが、今現在は魔道祖師が一番好きです。理由は三作品中で最も歴史色を感じられるから。上記の聶明玦の檄のような好みのアイテムがたくさん出てくるところが好きなんです。メディアミックスで媒体ごとに楽しめるのもいいですね。日本での露出は魔道祖師が一番多いのも好きな理由に影響しているのかもしれません。

 

日本と言えば、魔道祖師では東瀛(日本)が出てきます。妖しげな意味での登場ですが、これはこれで非常に面白いですね。東瀛が出てくるくだりでは何となくニヤニヤしてしまいます。

 

とにもかくにもマイブームは中華ファンタジー。「キングダム」も「薬屋のひとりごと」も「十二国記」も私の中では中華ファンタジーみたいなものです(笑) いや、これらに関しては中華ファンタジーよりも中華風ファンタジーと言うべきかもしれませんね。キングダム、薬屋のひとりごと、十二国記の作者はみな日本の人なので。

 

実はお正月に読もうと思い購入していた「日出処の天子(完全版)」が魔道祖師にハマったおかげで未だ手つかず状態です。いずれ厩戸皇子について語りだすかもしれませんが、その折はよろしくお願いします。