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テレビでは7月20日にアニメ「烏は主を選ばない」の第14話が放映されたのよね~と公式サイトを見に行ったところ、オリンピックのため次回第15話は8月17日になるそうで。あらま。

 

「烏は主を選ばない」第14話の感想はアマプラ鑑賞後に書く予定ですが、3週間の放映お休みの間に7月開始のアニメ「逃げ上手の若君」の感想を書いてみたいと思っています。「逃げ上手の若君」も放映時間がずれるなど若干オリンピックの影響を受けているみたいですが、放映のお休みはなさそうなので「烏は主を選ばない」のお休みの間に遅れ分が追いつければいいかなとゆるく考えています。

 

 

アニメ「逃げ上手の若君」は週刊少年ジャンプ連載コミックが原作の鎌倉幕府北条家の生き残り北条時行が主人公。歴史が好きと言っていながら、足利尊氏や後醍醐天皇はともかくとして北条時行については当初『誰?』くらいの認識しかありませんでした。

 

「逃げ上手の若君」の原作は未読。アニメは現在第2話までの視聴ですが、とても面白いです!少年誌の連載作品で、キャラクターはとても可愛く主役の北条時行も8歳の子供ですが、残酷シーンが続出するので子供向きではないでしょう。レーティングは+16。観てよいのは16歳以上とされてるのかなと思います。画が綺麗で動きも素晴らしく、秀逸なアニメ作品になるのでは?という気がします。各話内容の感想は追って書くとして、本日は舞台となる期間、鎌倉幕府滅亡から南北朝動乱の期間が前回の風の時代の真っただ中であったことから、当時の日本と世界の「風の時代」について少し書いてみたいと思います。

 

「風の時代」というフレーズはかなり一般化しているような気もしますが、元は占星術用語かと思います。およそ200年毎に時代は「火地風水」のエレメントを繰り返すというサイクル論です。木星と土星が各エレメントで約200年毎に会合し、会合したエレメントの状態が次のエレメントの会合まで続くと考えるもので、近くは2020年12月に水瓶座で木星と土星の会合(グレート・コンジャンクション)が起き、水瓶座は風のエレメントであることから2020年~2219年は風の時代とされるのです。

 

ちなみに東洋の風水にもこのような区分の考え方があります。三元九運です。この三元九運も木星と土星の運行に基づくもの。木星と土星は20年毎に会合するため、20年毎に気の流れが変わると捉え、2024年2月節分までが八運、2024年2月立春~2044年節分までが九運としますので、現在は九運です。

 

以前、暦や天文について触れた記事がありますので、よろしければそちらもご参照ください。一見、ただのオタク記事ですが、暦に関しては真面目に書いております。


 

前回の風の時代は木星・土星の会合周期では1226年~1425年。13世紀から15世紀初頭に区分されることになります。「逃げ上手の若君」で描かれる時代は鎌倉幕府の滅亡から南北朝動乱期。14世紀のおおよそ中盤の頃にあたります。

 

鎌倉幕府は12世紀末期に源頼朝が平家を滅ぼし成立しますが、13世紀には大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に描かれたように北条家が実権を掌握。その後鎌倉幕府の滅亡まで北条家が幕府を専制することになります。

 

14世紀前半の中国は元。モンゴル帝国初代皇帝チンギス・ハーンの孫フビライ・ハーンが13世紀末にモンゴル帝国の国号を改め、元としています。2度の蒙古襲来も元の皇帝フビライ・ハーンによるもの。蒙古軍を日本は撃退し、北条得宗家は権力を強化しますが、御家人の負担が増えたことと恩賞の不足により幕府への不満が高まっていきます。そして14世紀に入り後醍醐天皇が即位。1324年には後醍醐天皇の倒幕計画が発覚。その後の1333年5月、鎌倉幕府が滅亡することになります。

 

北条時行は鎌倉幕府滅亡後の20年間、逃げながら足利尊氏に挑み続けますが、史実では北条家再興の願い叶わず鎌倉で処刑されます。ただ、源義経が死なずにチンギス・ハーンとしてモンゴル帝国を築いたとの伝説があるように、北条時行にも生存説があるようです。みんな悲運のヒーローが好きですものね。

 

14世紀のヨーロッパに目を向けてみます。14世紀のヨーロッパは「危機の時代」と呼ばれています。13世紀後半頃の小氷河期により、14世紀初頭に大飢饉に見舞われ、14世紀半ばにはペスト(黒死病)の大流行。イギリスとフランスの百年戦争が始まったのも14世紀。飢饉、ペスト、戦争が続く危機的状況の中、ユダヤ人が飢饉やペストの原因と迫害され、14世紀後半には魔女狩りも始まります。一方、イタリアではビザンツ帝国(東ローマ帝国)からギリシアの知識人が多く亡命。ルネサンスが始まりますが、ルネサンスの全盛期は風の時代を終えて、水の時代に入った15世紀末を待たなければなりません。

 

14世紀のペストは中国大陸が起源と考えられており、このペストの流行は元の衰退にも影響を及ぼし、中国各地で反乱が勃発します。1368年にはモンゴル帝国は都を捨て、モンゴル高原へ敗走。反乱軍の中から朱元璋が現れ、同1368年皇帝に即位。明を建国します。

 

以上のように14世紀は大陸でも日本でも激動の世紀と言えそうです。「逃げ上手の若君」は鎌倉幕府滅亡の1333年~北条時行死亡の1353年までを描くのではないかと思われますが、時行生存説もあり、原作は連載継続中でオリジナル要素が入る可能性も否定できないので、彼が今後どのような結末を迎えるのかはわかりません。

 

いずれにしても、前回の風の時代も荒れ模様の大変な時代。でも、その厳しい状況の中で「逃げ上手の若君」は自分を信じ、仲間を信じて進む姿が描かれるではないかと思っています。現代の風の時代もこの先何が起こるかはわかりませんが、自分を信じ大切にして前へ進んでいきましょうね。