長野に旅行に行った際、
宿は蓼科にあるホテルにした。
どこかというと、グランドホテル滝の湯と言うところだった。

湯上がりに女将さんに会って、部屋に活けてあった白い花の名を聞いた。
あれは、ノラニンジンの花だという。
女将というより、夢みる花婦人といった感じで、
花好きの娘がそのまま奥様になったという風情だった。

この旅館は先代が三十年前から営業していて、常連のなじみ客が多いという。
建物が老朽化したため一年前に建てかえた。
それでも二十二室という部屋数だ。
二十二室あたりが、客をもてなすのにちょうどいい部屋数である。
常連が多いから、ガイドブックに掲載しなくても客が来る。