その人は女教師
1970年 東宝(製作:東京映画)
監督:出目昌伸 主演:岩下志麻、三船史郎、神田隆、高林由紀子、水谷豊
昨日書いた作品と同じく、出目監督と岩下志麻が組んだ映画である。まあ、似たような映画だが、こちらの方が2年前の映画である。岩下29歳ということだ。ここで描かれるのは不倫ではない。だから、誰を好きになろうといいわけだが、年齢差ということで、親が引き裂こうとする。そして、ここで死ぬのは男の方だ。そう、この男、三船史郎、三船敏郎の息子である。最近もたまに演技をしているようだが、とにかくヘタな男だ。そのうえ、顔が大きく、眉が妙に太く、眼が大きく怖い。バランスが悪い感じの体型で、なにかフランケンシュタインさえ想像する感じなのだ。(ちと、ひどく書きすぎたが、もののたとえだ、許してくれ、三船美香の兄であることはまちがいない)その彼を岩下が愛してしまうのだ。ちょっと待ってくれと言う映画なのですよ。
新宿騒乱の中で機動隊に追われる三船の前に現れたのは岩下だった。彼を抱くようにして、カモフラージュ、キスまでして守ってくれる。そんな岩下は教師として三船の高校に現れる。岩下は扮装に加担した過去があった。荒れる高校に毒を持った形の採用だった。岩下が闘士だったことは生徒にばれ、生徒は説明を求める。三船が自分が守ってくれたのはなぜかというと、一市民としてという回答をする岩下。その日から三船は学校にこなくなる。彼のところにでかける岩下。三船は彼女を愛してしまっていた。岩下が東京の母に会いにいく日、三船はついてくる。邪剣にできずに相手をする内に愛が芽生える。そして、岩下の友人の別荘で愛をかわす2人。帰ると三船の父(神田)が岩下に別れてくれといいにくる。三船も部屋に閉じ込められるが逃げ出す。そして岩下と別荘であうが、神田が手をまわし、岩下は誘拐犯として逮捕される。拘置が解けた時、三船は抗議で自殺をはかっていた。
今の高校生がこの映画を見たら、日本はどうなっていたんだ?と戦争映画や幕末の映画を見るような感じであろう。高校生が学生紛争に参加していたのは事実だが、それを映画で描いているのはこの映画だけではないだろうか?(デモシーンまであるので特異な気もする。)
映画の中でテーマとしているのは、神田が岩下と三船の仲をさこうとする意味合いが「世の中を秩序を守るため」という部分だろう。結局は学生紛争で若者たちは大人たちの秩序に従うことになるのだが、その結果が、今の官僚の腐敗構造なわけである。この時代、もう少し違う終焉をむかえていたら、少しはまともな世界になったのかもしれない。でも、結局はみんな女の色香には負けてしまうようなヘタレだったという事である。(そう納得したのだが、違うのか?)
まあ、そんなテーマの部分が映像的に露出するのは、ラストシーンで三船の焼香にやってくる岩下に対し帰れという親族にたいし生徒が盾になるところだろう。焼香にむかう岩下は「仁義なき戦い」の菅原文太のようである。しかし、適当な恋愛が描かれた後のこのシーンは説得力がない。所詮、生徒たちも岩下も未熟だという感想である。(ただ、岩下の喪福姿がステキではある)
そう、テーマ性などはどうでもよく、この映画でデビューの三船と岩下の濡れ場が見ものという感じの映画だ。ここでも出目監督の描く恋愛は、何か甘いプロモーションフィルムである。SEXをしてるシーンに、2人がてをつないで駆けたり、テニスをしたりする絵がかぶる。わけがわからない・・・。
デモをやっているシーンがモノトーンの絵になるのと対称的に描くという感じなのかもしれないが、とにかく何か変な映画なのである。そして、ストーカーまがいについてくる顔の大きな三船を好きになるのは全く納得いかない。東京でのキスシーンは新宿中央公園。バックに建てかけの京王プラザホテルが見える。
そう、ちょうど、大映や日活が崩壊しそうになる頃で、東宝も、こんなありえない映画を撮っていたということなのである。まあ、見どころは岩下が脱ぐというところなのだろう。しかし、乳房もお尻もわかるような吹き替えである。ここまでしてSEXシーンを撮りたかったのかと思ってしまう。
そして、岩下も、20代の割にはメイクが濃く、若さがたりない(70年代にメイクが濃いのがはやっていたのが災いしている)。最後に拘置されているシーンでは、眼の下にクマを使ったメイクになり、妖怪ものなのかと思ってしまうような姿だ。それでも、彼女のミニスカート姿はステキだが・・・。
三船の芝居は語るに及ばず、この男を何故使おうとしたのか不思議である。岩下と抱き合うシーンでは興奮したのかな?とか考えてしまった。本当に彼にやらすにはもったいない役だ・・・・。
同級生役で高林由紀子、水谷豊、中沢治夫(現:剛たつひと)などが制服ででている。水谷が主役やっていたら、また違った映画になっただろうと、少し惜しい気もした。
どちらにしても、岩下の感情が全く理解できないのが難点である(女心はそんなものという方もいるかもしれないが・・・。)学生時代に岩下が闘争に参加した話も主旨がよくわからないし、なんか中途半端な映画なのである。岩下志麻がもっと綺麗に撮られていたら、少しは褒めるのですけどね・・・。
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