睡眠薬をやめてから、眠りの調子が悪かった。
夜中に何度も目が覚める。
早朝に目が覚めて、そのまま眠れなくなる。
朝になると、寝不足感が強い。
薬をやめた影響だと思っていた。
でも、もしかすると別の原因もあったのかもしれない。
ラジオ深夜便を流しっぱなしにしていた。
夜中に目が覚めるたびに、話し声や音楽が聞こえる。
誰かの話。
少し懐かしい曲。
知っている名前。
耳に残るメロディ。
半分眠っているはずなのに、脳だけが反応していたのかもしれない。
内容を追いかけたり、曲を聞き続けたりしてしまう。
眠るより、ラジオのほうへ意識が寄っていく。
これは、あまり良くない気がした。
ラジオを消して眠ると、今度は無音になる。
何も聞こえない。
その中で、何かを考え始める。
でも私は、無音が少し苦手なのかもしれない。
静かすぎると、自分の頭の中の音が大きくなる。
それで、ラジオの内容をBBCに変えてみた。
英語は聞こえる。
でも内容はほとんどわからない。
たまに単語だけ拾える。
ほぼノイズみたいなもの。
音としては聞こえる。
でも、意味までは届かない。
そのくらいが、ちょうどよかった。
完全な無音ではない。
でも、追いかけなくていい。
夜中に目が覚めても、ノイズ。
早朝に目が覚めても、ノイズ。
聞こえていても、そこまで意識が向かわない。
寝起きの満足度は少し高い。
寝不足感も前より少ない。
今のところ、かなりいい。
ただ、少し変な話でもある。
もし英語のリスニング能力が上がって、BBCの内容が自然にわかるようになったら。
また脳が話を聞きに行ってしまうかもしれない。
また眠れなくなるかもしれない。
それは困る。
でも、それはそれで少し嬉しい。
英語が聞き取れるようになっているということだから。
眠るためには、意味が届き切らないくらいの音が、ちょうどいいのかもしれない。
