三人はJRに乗って甲子園口で降りた。

 

「お父さんはこの甲子園口で住んどるんですか」

駅から線路に沿って歩きながら省三は前を歩いている父に話しかけた。

 

「ああ、ここから十分ほど歩いたところで庭付きの一軒家で住んどる」

 

「私は社長の家の二階に居候さしてもらっとります」

隼人が後ろから声をかけてきた。

 

「社長の家の近くに巨人軍が遠征に来たときの定宿があるんや。

今日は甲子園で巨人・阪神の試合があるから今夜は巨人軍の選手はこの宿に帰って来るはずや」

隼人が駆け足で走って一軒のしもた屋風の宿の前で立ち止まった。

 

「ここが弥生荘という巨人軍の定宿や」

省三は隼人と並んであまり大きくもない宿をじっと見つめた。

 

弥生荘の前は武庫川の土手に沿って公園になっていた。

 

「明日の朝早く起きてこの公園にきてみな。巨人軍の選手たちがここでトレーニングしとるから」

 

「ほんと!僕 絶対早起きする」

省三は憧れの巨人軍の選手をじかに見られと思うと急に胸がわくわくしてきた。