「まず荷物を上げるのが先や。省ちゃんも手伝えや」
源三は櫓を片手で操りながら貨物船の上から降りてきているロープに伝馬船を近ずけていった。
「そのロープをつかまえてくれ」源三はロープが省三の手の届きそうなところまで伝馬船を近付けると省三に叫んだ。



ロープは5mくらい離れてもう一本降りていた。
「つかまえたよ」省三は1本の太いロープを両手で握って源三に言った。
「よっしゃ。今行くからはなさんようにしっかり握っててや」


源三は長い櫓を伝馬船の中に引き込んでから船首にいた省三のところまできてロープを受け取った。
源三はすばやい手つきでロープを伝馬船の船先に縛りつけた。
もう1本のロープは源三がつかんで船尾のほうに引っ張って行き櫓をこぐあたりに縛り付けた。


「これで伝馬船は動かん。さー荷物を上げるぞ」
省三に声をかけながら貨物船の甲板の3人に手を振った。


甲板の黄色い鉄製のリフトからするすると1本のロープが降りてきた。ロープの先には黒い鉄でできた大きなひょうたん型のフックが付いている。源三は積んでいた短い2本のロープを木箱の底から両端2箇所にロープを架けリフトから降りてきた太いロープのフックに2本とも引っ掛けた。


「OK!」
源三が頭上で両手で丸い円をつくって合図をすると甲板のリフトがギーと音立ててロープを巻き上げていき木箱がゆっくり引き上げられていった。


ー第7話に続くー