世の中には、カーボローディング と称し、体内にエネルギー(パワー)を貯め込む術があるということを、ガンダーラへ行く途中に、三蔵法師が伝え聞いたという。
時は流れ、そんな噂がようやくシンガポールまで流れてきた。
そういえば、長い距離を走っていると、エネルギーが枯渇して 「もう走れない。やっぱり私は、ドジでのろまな亀だわ」 と感じたことが多々あった。
前回の「シンガポール縦断ラン」では、1~2日前から炭水化物をたくさん貯め込んだおかげなのか、あまりエネルギーが切れる感じはなかった。
(その副作用で、迷子になってしまったが・・・)
そして今回の「シンガポール横断ラン」では、このエネルギー貯蔵術をもう少し拡大解釈して、3~4日前から炭水化物を貯め込むことにした。パン、白米、うどん、パン、炊き込みご飯、パスタ。
ただ食うだけである。
実に便利な世の中になったものだ。
では、果たして結果はどうであったか?
数名のランナーに感想を聞いてみた。
「最後までエネルギーが切れることなく、脚を動かし続けることができました。」 (39歳、男)
「おかげで、30キロ過ぎからの急激なスローダウンが無くなったように感じます。」 (39歳、男)
「40キロ過ぎても、スピードが持続できました。」 (39歳、男)
「志を高く生きていく。」 (39歳、漢)
「おかげで、女性にモテモテで、札束のお風呂に入れるようになりました。」 (30代、男)
どうやら、何かしらの効果があったようである。
「マジでっ!?」
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僕が、大学生の頃は、レース前などに出来るだけ多くのグリコーゲンを体内に貯め込んで、レース本番で利用できるように、「グリコーゲンローディング」をしよう!
と、いろんなスポーツ科学の本で推奨されていた。
が、1回も上手くいったことがなかった。
なぜなら、昔のグリコローは、今のよりも複雑で素人風情が簡単にできるものではなかったからだ。
1.炭水化物の摂取を控えつつ、高強度トレーニングにより体内のグリコーゲンを枯渇させる。
2.炭水化物を多く摂取し、グリコーゲンが枯渇した反動で体内にいつも以上のグリコーゲンが貯蔵される(逆リバウンド)。
まず、この「1」が大変。
レース前なのに高強度の練習でフラフラ。でも、炭水化物(ご飯、パン、麺)は食べられない。だいたい、ここで体調が不良になり、レース当日のパフォーマンスに影響することになった。
なので、個人的には1~2回試して上手くいかなかったので、グリコーゲンをローディングするのは、きっぱり止めてしまった。
それに比べて、今は楽だ。
炭水化物をいつもより多めに食べればイイ!
練習量は増やさずに、逆に減らしてイイ!
こんなに簡単になったとは、天国の三蔵法師もビックリだろう。
ちなみに、
豚はオーバーローディング(体重)。
河童も、オーバーローディング(負債)。