富士登山競走から2週間が経過しました。まだ先週くらいのような気がしますが、「もう2週間も経ったのか」というのが本音ですね。

 

2016年に5合目コースにチャレンジしてから10年目にして悲願の山頂制覇。本来であれば、毎日ブログを更新して、新鮮なうちにレポを仕上げるべきところですが、ブログを書く時間がないというか、そういう気持ちになれなかったというか…。

 

それと下書きをした内容を保存せずに消去してしまい、一から書き直すモチベーションがなかったことが最大の理由かもしれませんw

 

でも、富士登山競走は晴れて卒業できたわけだし、最後までしっかり記録として残しておきたいので、今回を含めてあと2回のレポになるのかな?ぜひお付き合いください!

 

 

 

里見平☆星観荘前でヘルメットを受け取る。前二大会は、スタート時から自前のヘルメットを着用していたが、今回は大会本部が用意したヘルメットを着用することにした。

 

理由は、昨年着用したヘルメットを下山用のバスに置き忘れ紛失してしまったからだ。それと最初から被っていると頭が蒸れて暑い。だから改めて買おうとは思わなかった。サイズが合わないと面倒だなと思ったけど、それについては全く問題なかった。借りて正解だった。

 

ここからはシングルトラックとなる。昨年までは、馬返しから五合目までの渋滞を避けるため、スタートからのロードはハイペースで突っ込んだ(自分比)。そのため5合目の時点で脚があまり残っておらず、その後は追走するのに手一杯だった。

 

しかし、今年は脚に余力があって、流れが遅く感じた。5合目の通過タイムが昨年より遅かったので、気持ち的には少しでも速く進みたいところだったが、10分の我慢だし流れに身を任せ脚を温存することに専念した。

 

6合目になると山頂への視界が開ける。給水所では岩塩タブレットを水で流し込み、ソフトフラスクに水を補充した。

 

ここから7合目の花小屋までは、苦手な砂礫地帯であったが、例年よりもスムーズに登ることができた。試走時に、たまたま会った旧友「たっちゃん」との会話を思い出しながら歩いた。

 

 

たっちゃん

あのお姉ちゃんの後ろ姿を見てみろ。

 

ハルミサ

いいお尻をしていますね。

 

たっちゃん

尻を見てどうするんだ。足の動きや重心移動がスムーズだろ。

 

ハルミサ

それがあの推進力につながっているのですね。

 

たっちゃん

なるべく前の選手で踏み固められた所を通って、足裏全体で着地するんだ。後ろに蹴ってはダメだからな。進まないだけでなく余計な筋力も使ってしまう。

 

ハルミサ

分かりました。

 

 

レース当日も速い選手にグイグイ抜かれた。でも、それ以上に今年は抜ける人が多かった。「このペースでいいんだ。」そう思って淡々と歩を進めた。

 

視界にはあるものの、昨年はなかなかたどり着かなかった花小屋。今年は、「やっと着いた」ではなく「意外と速くついたんじゃん?」という感覚だった。

 

給水所手前でアミノショットを補給し、水を飲んで口の中をさっぱりさせる。ソフトフラスクの水はまだ残っているので補充はしなかった。

 

ここからは得意の岩場。時間に余裕があるわけではないが、心理的に追い込まれていなかったので、出力は上げずに空いているコースを選んで登っていった。周囲の選手の息遣いはキツそうだった。その息遣いを感じるたびに、自分は「強く息を吐く」意識を働かせた。楽ではないけどキツくはなかった。

 

8合目太子館の給水所でカツサプ4粒を補給した。太子館まで来れば、蓬莱館、白雲荘、元祖室など山小屋が連なっている。8合目関門だけを見るのではなく、山小屋一つひとつをクリアしていくことを目標にした。

 

どこだったかは忘れたが途中で私設エイドでコーラを提供してくれた女性がいた。まさに富士の女神だと感じた。白雲荘で予定していた「オレは摂取す」は次の大会で使えるし、今日の感じなら不要だと思って飲まなかった。

 

8合目関門富士山ホテルの通過は3時間51分39秒。制限時間まで35分、できれば40分ほしいと思っていたので、ほぼ予定どおりだ。ここからも、砂礫と岩場を繰り返す。

 

あくまでも時間内完走が目標。極端な話だが4時間30分00秒でもいい。ただ、それではヒヤヒヤ・ドキドキなので、できれば5分前くらいにはゴールしたいと思っていた。


山頂らしき山小屋をハッキリと視界に捉える。その直下には白い鳥居が見える。比較的長めの直線を登り右折すれば、そこから2分かからない。時計は4時間20分。もうゴールは目前だ。


最後は、余裕の表情でゴールしたつもりだったが、思っていたよりもキツそうな顔だった。まさに歓喜のゴール。それは、ようやく富士登山競走を卒業できた瞬間でもあった。

 

 

つづく。