「先輩、わたし次のエイドでリタイアします…」
「そうか、わかった。鴨川ホテル三日月だからリタイヤしても大丈夫だよ」
「わたしのウルトラは三日月から始まって三日月で終わりです…」
いや、ここまで良く頑張った。その頑張りはこの俺が受け継ごう。魂は必ずゴールまで連れて行くと心に誓ってエイド到着。
「本当にありがとうございました!」
後輩と固い握手を交わすと先輩は次なる見えない最後尾目指して再スタートを切る。誰かと一緒にいればまだ大会の人だと判るものの
鴨川単独デビルマン(しかも飛び抜けて遅い)
となると非常に通報の危険性を伴う行為だ。それでも走るしかない。幸いにも脚は残っているので次のエイドまでは一気に走り抜けた。そしてエイドでTKGを一気飲み!!
「あれ?食べれるの?」
「食べれますよ。」
良く交わされる会話をした後は最後尾だから撤収!!と言って再び次のエイドを目指す。前走者とは相当離れているようだが、それでもひたすら追いかけるしかない。次のエイドでもまだ追いつけないがTKUを一気飲み!!
「あ、私〇〇××の知り合いでして、泡の出る飲み物を用意しておくように言われていたのですが、調達できませんでした!!」
無いんか〜い!!
思いっきり突っ込みつつもこのエイドは登りと下りのランナーが交差するポイントなので、降りてきた人たちで結構賑わっている。人の多いエイドを久々に見たデビルマン、延々と続く清澄寺への道を登り始めたのでありました…。
《続く》