雨か…。
CP1道の駅みとみに向けて進む途中から降り出した雨。予報どおりと言いつつも、淡い期待を打ち砕かれる展開になる。
上り坂は歩いてその他は走る。
雁坂の鉄則を守りつつ進むものの、履きなれていないVFFのせいなのか、右のふくらはぎが破裂しそうに張っている。
(これはヤヴァイな…)
しかし、上りを歩くぶんには適度なストレッチ効果があり、痛みもおさまる現象に、この先の峠をうまくこなせればもしかすると復活するかもな…という根拠のない確信みたいなものを胸に秘め、先を急ぐ。
「デビル、無理して走らなくて良いよ」
予定より少し遅れている焦りを察してくれたのか、zoffyさんが声をかけてくれる。このあたり流石のコントロールだよなあと感心しきり。
CP1には予定より10分程度の遅れで到着。
今回の雁坂からは、ここからバスで出会いの丘まで送迎するという初の試み。時計は最長で一時間ストップする事が可能と言うこともあり、補給と合羽などの雨具準備もキッチリ行えた。これはなかなかメンタル的には良いかもしれないな…。
しかしここでほぼ同時刻に到着しながらも一本前のバスに乗った人達と自分達では結構な明暗が別れることをまだ知らずにいたデビル達なのでありました。
「汗くせーよ〜」
35キロ走って来た沢山のランナーを乗せて、ムシムシした車内に閉じ込められた運転手さんの心からの叫び声が響き渡る。
そんなバストリップから、初めての埼玉側からの雁坂峠を目指す。
天気が良ければ…
しかし事はこの日の天気だけではなく、秋の長雨天候不順による蓄積が、デーモンとなって襲ってくる事をまだ知らずにいたのでありました。
《続く》