ただ真っ直ぐな道を行くのに、デビルアイは必要ない。
そっと目を瞑り、心眼だけで進んでいくデビルマン。もともと視界が悪いのでこれでも大きな問題はない。
やがて、河川敷コースから外れると私設エイドに辿り着く。こういう大会でも私設エイドを出して頂けることには深く感謝である。
こうして河川敷を終えると古墳コースへ突入。案内は無いとは言っていたが、要所要所にトレニックワールドの小さな案内を出してくれてあり、道に迷うような事はなく安心して進める。
抜きつ抜かれつ抜かれつつ進んでいくと、渡ればコンビニがある橋のとこまで来た。
「デビル~!」
この大きな声はヘンタ…の神様『T師匠』だ!
「な~にナンパしてんすか?」
「いやいや、俺がナンパされたんだよ!」
ご婦人連れで後ろから追いついてきたT師匠とここから暫く並走。というか多分このご婦人が走っているので歩くわけにもいかず、次のエイドまではかなり頑張って走ってしまったのだ…。
「しかし花園インターとか、自分の足で来るようなところじゃないっすよね。」
「ええ、そうなの?私、土地勘ないから良くわかんないのよ。」
なるほど。逆に知らないというのは武器になるものだな。下手に知っているからこそ躊躇するというもの世の中にはあるのだ。
こうして、第三エイド 浄恩寺 51.8キロ 6時間19分に到着。もう少し頑張れば残り全部歩いても行ける圏内に突入すると言われていたのでありました。
《続く》