(単独走では不利だな…。前方集団に追いついてカマキリが止まるというシェルの中に入れてもらわねば…。)
あくまでも他人の力に頼ろうとするデビルマン。
幸いにもバラけてはいるものの視界の中にはランナーの姿を捉えることは出来る。少しづつ少しづつではあるが前方との距離を詰め後ろに付く。
そのまま後ろに付くだけならいいのに、しばらくすると集団をパスして次の集団に付くということを繰り返していった…。
そう、寂しがり屋のくせに人見知りなデビルマン、初対面の人になかなか話しかけることも出来ずに仕方なく抜かして走っていたのである。
こうして、しばらく行くと第一CPの吉見エイド、21.2キロを2時間20分で通過。
軽く補給すると先を急ぐ。
まだまだ元気なうちに少しでも進んでおきたいところだが、そうは問屋が卸さないのがこの大会の恐ろしいところ。
とりあえず、参加賞で貰った太子堂のジャムサンドを食べながら河川敷を進む。
時折自転車乗りの人達とスレ違いざま交流を深めつつ進んでいく。
河川敷コースから一瞬外れるときには、皆が斜め横断しているところを敢えてまっすぐ進み、直角に曲がり手をあげて横断歩道を渡る。
「流石、正義のヒーロー!!」
沿道の方々からお声がけいただけた時は嬉しかったのさ…。
やがて、雁坂でもよくご一緒するミニーさんに追いついた…。
「あれ?調子悪いっすか?」
「ええ、まあ、それにしても良くウイング背負って走れるね」
「まあ、ほらちびウイングなんで」
「でも、なんか壊れてるよ…。」
またもや荒川強風デーモンにウイングを破壊されたデビルマンなのでありました…。
《続く》