(脇見しちゃ駄目よ~、ダメダメ!!)
恐すぎると思わず笑いを取りたくなるのは正装ランナーの性か?と言ってもまわりには誰もいないはずなのだが…。
名栗元気プラザを通過し、灯りが見えた時には心底ほっとした。
CP5 正丸峠 99.3km 23時38分
トイレに駆け込みがあったりして弱冠の遅れがあるもののまだいける。
ここではカップラーメン醤油味をいただく。なんでこういう時に食べるカップラーメンって美味いんだろうな。普段はインタントなんてほとんど食べないだけに、余計に格別なのかもしれない…。
「この後は10人くらいですね。」
スタッフが秩父と連絡を取り合っている。
ほぼビリッけつって事か。前回、前々回の時はもっと沢山のランナーがいた気がするのだが…。
参加者のレベルが上がってしまったのか、それとも諦めが早くなってしまったのか?どちらなのか、それとも別に理由があるのかは判らない。それでも先に進むしか道は無いのだ。
「決して後ろを振り向いてはいけない…。」
今回欠席の雁坂の魔女からの伝言である。
下りに備え、再びデビルストックを取り出すと漆黒の闇の中へその身を投じるデビルマン。
「ご馳走さまでした!行きます!」
「頑張って!」
(暗すぎだろ…。)
正丸峠と言えば四つん這いの女の幽霊伝説、数々の事故死した霊などなど…。心霊スポットとして有名な場所を真夜中に独りで行くのはマジ恐い。
暫く進むと、峠の下り道、後ろから来た車のライトに照らし出されて浮かんだ影が一瞬見えたのだが
二人?
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
だ、誰もいないよな、それとも後ろから誰か来てるのか?いや振り向いちゃ駄目だ!
この時ほど正丸幽霊デーモンに怯えたことは無い。
(目の錯覚だよな、速く下ろう。)
どうやら両足首を掴んでる奴がいるようだ。痛みがぶり返してきてもはや薬も効かない状態に。なかなか前へ進めないじゃないか!!
次のCPにはあの人が待っていてくれるのだから速く行かねば…。
デーモン総攻撃にやられまくり、敗色濃厚なデビルマンなのでありました…。
《続く》