CPを出てまもなくの交差点を右折すると、正丸峠方面へ向かう道となる。ここまで段々と賑やかになってきた周りの景色が今度は段々と寂しくなってくる…。
しかもこの時間では既に後続のランナーも少なくなってきていたのだろう。
前方にも誰もいないし、当然出歩いている一般の人もいないしで
この広い世界に独りきり…。
時々スマートフォンを弄りながら寂しさを紛らわす。ツイッター情報で白い人がとんでもない時間に正丸峠通過してるのを知る…。
それに引き換えこの俺のなんとも情けないことよ。三度目の正直どころか二度あることを三度繰り返そうとしているのか…。
やがて、水分を取りすぎたツケはここに来て表面化。芦ヶ久保のトイレに駆け込み一息だけのハッピータイム。
ここに至っては捨てる区間なんか無いはずなのに歩きで進むしか方法が無い。
(去年はこの歩道が川のようになっていて、トラックに轢かれそうになってたっけ…。)
今年は天気にも恵まれて、なんだか吐く息が白く見える。暑さに苦しむことも無く、このコンディションを活かせない自分の力の無さを嘆くしかないのか…。
去年収容されたポイントを過ぎ、遂に正丸トンネル手前の右折地点まで来た。
(ここから先は本気で怖いんだよな…。)
この広い世界に独りきりなデビルマン、覚悟を決めて進んで行く。ヘッドライトとハンドライトの光だけが頼りだ。
もしここで電池が切れちゃったら?
そんな想像したら恐ろしすぎておしっこチビリそうになりながら進むデビルマン。
時折現れる『名栗元気プラザ』までの距离表示を目印にしながら…。
ん?名栗元気プラザ…。
あそこって確か宮崎ツトムの事件があったとこだよな…。
(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル
走るのが遅いとマジで怖すぎる時間帯にここを抜けなくてはいけないというとんでもなくスパルタなコース設定を改めて噛み締めるデビルマン、疲労蓄積、完走出来ないという諦めモード、そして恐怖という三重苦に喘ぎながらCPを目指すのでありました…。
《続く》