「この区間でなんとか巻き返す。なんとしてでも川越まで行く。」
途中で入れた痛み止めが効いてきたのだろうか?それとも流し込んだカレーがやっと消化されてきたのだろうか?脚の痛みは久々に全く無しで体力も回復してきた。
去年は台風のためか開いてなかった商店も今年は営業中。一昨年と同じようにここでガリガリ君タイム。
「おお!格好いいね!今朝甲府のスタートまで行ったんだよ!」
「そうなんですか?去年は台風であいてなかったから今年はあいてて良かった。」
お店の看板熟娘と和やかに会話を楽しむデビルマン。
再び走り出すと、自転車やら自動車の中やらご声援を頂く。
「おお!デビルマン頑張れ~!」
「ナイスデビル!!」
ランナーが沢山いるシティマラソンで降臨するのも楽しいが、寂しく人のいない所を走るこの大会だって充分楽しい。そう、秩父までの平和は俺が守る!
やがて…
秩父鉄道を右手に見ながら進んでいくようになる。ここまで来れば秩父市街まではあと少し…。
いやいや、正確な距離が把握出来ていない状態での思い込みはあとあと精神的に落ち込むもとになる。
(近いように思えてまだまだ結構距離はあるはず…。)
久々のコンビニエイドが見えてきた…。
「142って、どこからどこまで行くんですか?」
「甲府から峠を越えて川越までです。」
「時間はどれくらいかかるんですか?」
「制限時間は24時間です。でも速い人は15時間くらいで走っちゃうけどね。」
コンビニのお客さんと交流出来るのもこの大会の良い所。
ぎあす姉さんの好きなバームクーヘンを買い、食べながら進む。
やがて…
元セブンイレブンのクリーニング屋から始まる上り坂を通り、秩父市街へ繋がる少し賑やかな直線道路をひたすら進んでいくと、なんとかCP5へ辿り着いた…。
《続く》