「どうしてあっち行かないのさ?」
「あれは野郎ども群がり過ぎだろ。練習グリーンで四方八方からホールめがけてパット練習してるみたいだろ。」
とは言え、あえてここはみんなと違う行動に出て逆に印象を与えるというコンパとかでありがちな超高等テクニックを密かに駆使していたデビルマン。
今まで成功した試しはありませんが何か?
そんな所沢デーモンとの闘いにもだいぶ飽きてきた頃、エイドステーションの水かけエイドにこれまで無かったような
妖気
を感じる…。俺の妖怪レーダーがピコンピコンと激しく反応し始める。
(ま、まさか…。)
そこにはなんと、オクムの折り返しにいた男心を多いに刺激するあのビキニガルが水かけをしているではないか!
相変わらずのダイナマイトバディだ…。
ああ、俺もうあんな辛いオクムの山なんかに行かなくても良いや…。逃げても無駄さ、だって地球はまあるいんだもん…。
良くわからない考えに脳内を支配されながら、しばし、少し離れたところからガン見し続けるデビルマン。昭和の漢は無口だから声などかけられないのだ。漢は黙ってガン見するのだ…。
「おお!デビル。何やってんだ。一緒に写真撮ってやるからほら横へ横へ。」
T代表直々にお声がけをいただく。
「あ、いや、ジックリ見てたんですけどね…。」
ええ、気が付くと壁ドンくらいの接近で記念撮影して頂きデビルご満悦…。
もう、思い残すことはない…。本当にこのままリタイヤしたっていいくらいだ…。
それでも、重い脚を引き摺りながらデビコロは行く。時間まで闘い続ける。この一点だけを譲ることなく、最後まで行くのであった…。
《続く》