「お兄ちゃんさあ、ちゃんとお父さんお母さんに行ってくるって言ってきた?」
「うん、言ってきたよ。」
こんなご時世である。青い羽根の生えた人に連れ去られたなんてことで大事になったりしたら大変だ。
誤解から国家権力が発動されでもしたら夕方のニュースになりかねない。ヤフコメあたりでも袋叩きに合うのは火を見るより明らかだ。
「ほらあの橋渡って周るんだよ。遠いよ~。引き返したほうが良いんじゃない?」
「大丈夫だよ」
「それより楽しいね~!こんなに楽しいなら遊具で遊んでないで早く走れば良かった!」
デビルは腹をくくった。もしなんかあってもきっとT代表が全力で守ってくれるはずだ。
それとゆかいな仲間たちは…。
きっともう飲んじゃってるからあてにならん!!
「ほら、もうすぐスタートとゴール地点だよ。デビルはあと一周だ。」
「でも、僕達お水とか飲めないから辛いな」
「わかったわかった。おじちゃんがエイドの人に頼んであげるから飲んでいきな」
「ありがとう!」
こうして子供達も飲み物も分けてもらい、最終周回に突入するデビルマン。
1キロ以上有るストレートを抜け、子供達は無事両親の元へ。
「ありがとうございました!」
「おう、こっちこそありがとうな!」
次の世代に少しでも走る楽しさを伝える。それも平和を守るための大切な活動かもしれないな…。
こうして第二エイドにも最終周回であることを告げ、お礼を言うと残り半周。もう少しで最期の時をむかえようとしていた…。
《続く》